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2012年8月の29件の記事

2012年8月30日 (木)

全国社会就労センター協議会(セルプ協)でのマーケティングセミナー

今日は、障がい者の働く場を支援する、全国社会就労センター協議会(セルプ協)でのマーケティングセミナーでした。

全国の授産施設で障がい者の仕事を作っていこうとしている職員の方々は、僭越ながら「同志」といってもよいのでしょうか。各地からの50名もの「同志」に今日出会えたこと、とても嬉しいです。

このご縁で日本の各地で事業をご一緒できる未来が作れたらいいなぁと思います。

Selp

2012年8月17日 (金)

おわりに 未来は自分たちでつくる 情熱が未来をつくる

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~


27話にわたって書いてまいりましたこのコラムですが、今回で最後です。
   
最後が最新ページとなってしまい読みにくくて恐縮ですが、本当は1話から読んでいただきたいので、ぜひ順に読んでいただけると幸いです。

~~~~~~~

1話序文(再掲)

以前より書き溜めている、「社会的弱者のマーケティング」について、このブログで公開してみようと思います。

     
新規事業や製品開発、ブランド立ち上げをする仕事の中で、また授産製品等の販売をお手伝いするセルザチャレンジの活動として障がい者や最貧国の人たちがかかわる製品の開発を行ってきた中で、そして授産施設や企業向けのマーケティング関連セミナーなど活動の中で、様々な経験が得られました。
    
マーケティングを専門とするビジネスマンとして生きてきて、また何かの縁で障がい児の親になり、将来に不安を持つ当事者となった自らが取り組んでいくべきテーマでもあります。
     
ここでは社会的弱者がかかわる事業の作り方、世界でオンリーワンの製品・サービスづくり、強い事業・ブランドの立ち上げ方やそのプロセス、ポイントになることを、経営コンサルタント・マーケティングの専門家の立場と切り口からご紹介していこうと思います。

        
取り上げるメインテーマは障がい者の手による製品・サービスについてですが、一般企業の経営や個人の生き方戦略にも当てはまる話と思います。
           
経営者の方や、特に消費財や雑貨・ファッション製品のマーケッター、新規事業や企画担当、デザインやコピーライティング、広報や営業・販売等を行う人、また就職活動や転職活動などで自分の進むべき道にご興味のある方は、ご自身のことに置き換えてみて読んでみていただけると良いかもしれません。

                
授産施設の職員の方をはじめ、多くのビジネスパーソン、経営者、地域の中小事業者、福祉職の方、NPO・NGO職員、フェアトレードに携わる方、プロボノを目指す方、社会起業に興味のある方、CSRの担当者、学生、障がい者を家族に持つ方などに、何らかの気づきや考える機会が得られ、すこしでもお役に立てられれば幸いです。
 
それではよろしくお願いたします。

~~~~~~

1話から読む




おわりに
  
みんな使命を持って生まれてきた 自分にしか出来ないことがある

常々思うのは、みんなそれぞれに大きな役割をもって、生を受け生きていると思います。

「自分にしか出来ないこと」、自分の「使命」があります。それは、家族や友人を大切にすることかもしれないし、仕事を通してビジネスに貢献することかもしれないし、様々です。

障がいを持ちながら働く意思のある人も同じです。縁あって、障がいを持つ人の仕事づくりに取り組んでいる方も、とても大きな使命と役割を持たれていると思います。

その自分にとっての使命に早く気付いて、何かをはじめらることは素晴らしいと思います。
   
今日もどこかであなたの助けを待っている人がいます。ぜひ、自分ににしか出来ない素敵なことで、応えてあげられればこれが「自分の存在理由」と言えるのではないでしょうか。
 
今の職場の中で、これから取り組もうとする仕事の中で、自らの力が求められていると思います。

授産施設の職員の方の場合は、いま施設で働くことに挑戦するメンバーを導いていける人は誰でしょうか?「生きる」ことを最大限にサポートできる人はだれでしょうか?
   
何かに導かれて携わっているご自身にしかできない使命に、ぜひ日々挑戦していただければと思います。

信じた道を行く

こうして、ビジネスやマーケティング、その他のことを紹介してきたわけですが、自分自身の様々なきっかけも、ちょっとした偶然から訪れました。何をやっていいのかわからない日々の中で、何かに導かれるように目の前のことに取り組んできただけです。

障がい児を授かった瞬間は得も知れぬ不安とやりきれない気持ちになりました。しかし、今はそれは自分にとっては素晴らしい贈り物だったと本当に感謝しています。
    
事業について個性を活かすことが大切と力説しましたが、生き方として平均点から落ちこぼれの自分は逆に個性を活かしていかないと生きてこれなかったのです。自分にとっての逆境も、これが試練で使命と信じることで何とかやってきました。ビジネスについての取り組み方も、そこから自然に学べたのです。
  
日々取り組み、これから始めようとすること。それはとても難しくて、大きな課題で、大それたことかもしれません。
  
自分たちの生き方が本当に正しいかどうかは誰にも分からないこと。しかし信じればそれが一つの「真実」となるのです。 皆様も、自分にとってこれが真実だと感じたときには、ぜひ勇気を出して歩みだしてほしいと思います。
   
一歩踏み出すのは一歩、失敗して下がるのも一歩。そんな一歩なら踏み出してみてもいいじゃないですか。

また、何かをはじめる時にいつが潮時というのはありません。何かに対する想い、情熱が強ければ、世の中のほうが変わるのです。今からでも遅くありませんし、早すぎることはありません

自分の信じたことを愚直に続けていると、どこからか同志が現れます。また苦しい状況に追い込まれても、どこからか助っ人が登場します。

自分を信じ、自分の個性を活かしていくこと。本当に大切なもののために、かけがえのない愛すべきもののために、熱い想いを多くの方と共有して道を進んでいく、こんな生き方が出来たら。

日々うまくいかないことも多いです。くじけそうになることばかりです。生きていくということは本当につらいです。しかし、だれかがどこかで見ています。そして夢見たことはいつか実現できると思います。

未来は自分たちでつくる 情熱が未来をつくる

未来はワクワク感でいっぱいです。未来は僕たちで創るもの。そんな素敵な未来を一緒に創っていければこんなに素晴らしいことはありません。


今回のテーマのように、障害などを持ち社会的に弱い立場の人が、仕事をして生きていく。

そのために周りのサポーターがビジネスやマーケティングのプロフェッショナルになる。

どうしたらその難しい問題を解決して、事業を成功に結び付けられるのか?

それは、自分たちで新しい「社会的弱者のマーケティング」を作り出せばよい。

そうなった時に、「弱者」という言葉はなくなる。

そもそも「弱者」なんかではない。

困難を持ちながらも力強く生きている「強い人」。

その強さをそれぞれの強さで補い合う仲間となり、共に生きていく未来をつくる。

誰も一人一人はデコボコで弱い。

皆の力が合わさりそれが一つになった時、皆で本当に「強い人」になれる。


社会的に立場の弱い人が関わらない仕事でも、今の時代に事業を行ったり、仕事をして生きていくことは簡単なことではありません。

日々新たな視点をもって、ベストを尽くして取り組んでいく必要があります。

それぞれの課題はとても難しいものばかりです。

しかし、この地でこれからも生きていかないといけません。

皆で力を合わせれば作れない未来はないと思います。



そんな未来をつくるのは、、
 

今これを読んでいるあなたでしょう。

  
おわり

なかのひと
 
 
 
 

5.実践編 さあ やってみよう!

  
「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」~弱みを強みに転じる生き残り方~

今回はおまけです。

ちょっとくだけて「実践編」として多くの人が簡単に何かをさっそく実行できるように書いてみました。ぜひできることから始めていただけましたら嬉しいです。
   

5.実践編  さあ やってみよう!


助っ人にメールしてみよう

自分たちだけの取り組みに限界があるとき、だれかにお願いしたほうがうまくいきそうなとき、さっそく助っ人に助けを求めましょう。

インターネットで検索したり、地域の有名人であったり、憧れの人であったり、一緒に何かをやってみたい人に、お願いメールを書いてみるのです。

メールはこうやって書きます。

~~様

拝啓

初めまして、~~と申します。

このたびはお願いがございまして、大変不躾ではございますが、メールさせていただきました。

【以降自由!】(笑)

今日中に送ってください。

ホームページやPR手段を作ってみよう

お店をやるときに看板を出すように、今の時代ビジネスをしようと思ったらインターネット上にホームページやその他の案内を出さなくてはお話になりません。

しかも、今はタダです。

作り方の例を挙げます。

①タダで作れるホームページ

グーグルホームページ
https://sites.google.com/site/muryouhomepagenotsukurikata/

②タダで作れるSNSページ

フェイスブックページ
http://www.facebook.com/note.php?note_id=153013314750115

③タダで作れるブログ

アメブロ(いろいろ機能がついている)
http://ameblo.jp/

グーグルブロガー(デザインがシンプル)
https://accounts.google.com/ServiceLogin?service=blogger&ltmpl=start&hl=ja&passive=86400&continue=http://www.blogger.com/home#s01

明日作ってみて下さい。

協力者を公募してみよう

ホームページやフェイスブックページが出来て、ファンも増えてきたら協力者・助っ人を公募してみましょう。

ビジネスのプロフェッショナルや、準プロフェッショナルも含めて、自分の力を誰かのために使いたいと考えている人は、実は世の中にたくさんいます。

何かゆかりのある人が、その公募に集まってくれるかもしれません。

そのためには、自身の取り組みがしっかりしたもの、大義名分のあるもの、情熱をもって取り組んでいるものとわかるようなホームページや紹介を用意しないといけません。

声を出してみましょう。誰かがきっと振り向いてくれます。

公募の文章はこう書きます。

「公募のご案内」

このたび、私たち~~~は、

【以降自由!】(笑)

明後日にはアップしてください。

プレスリリースしてみよう

プロモーションの項で書いたように、プレスリリースはやろうと思えば誰でもできます。(プロに頼むともっとすごいですが)

さて、プレスリリースの送付先です。
  
広報・マスコミハンドブックPR手帳〈2012年版〉

この本を今すぐ買ってください。そして出来る限り早くプレスリリースを発送してください。

販売先を開拓してみよう

製品を取り扱っていただきたいお店に、製品を持って明日訪ねましょう。

日本にどんなお店が何店舗あって、どのくらい売れているのか調べてみましょう。

日経MJ トレンド情報源〈2012年版〉

この本を今すぐ買ってください。そしてさっそく読んでみてください。
     
どんな製品をつくったらよいかネタを探しに行こう

東京インターナショナル「ギフトショー」に行ってみましょう。
http://www.giftshow.co.jp/

次回ぜひ行ってみてください。

ターゲットが訪れそうなお店の商品をチェックしてみましょう。

明日にでもチェックしに行ってください。

今の製品を改良してみよう

今の主力・売れ筋商品を少し改良したらさらに売上が上がるかもしれません。デザイン?ネーミング?価格?

ターゲットを思い浮かべて、何を変えればよりよくなるか考えてみましょう。また、お取引先の担当の方に真摯に聞いてみましょう。きっとヒントが見つかるはずです。
  
新しい製品を開発してみよう

今日からスタートです。来春の発売を目指してさっそく取り掛かってください。周りの皆にも宣言してください。
    
同じ想いを持つ仲間とつながろう

これには今はフェイスブックです。

積極的に同じ想いを持つような人とつながりましょう。

ビジネスはすべて人の縁で始まるのです。

まずセルザチャレンジのフェイスブックページに「いいね!」してもよいと思います。
http://www.facebook.com/sellthechallenge

お友達申請もお願いいたします。
http://www.facebook.com/teshimad

今からフェイスブックにアクセスしてみてください。
  
さらに勉強してみよう

定期的にセミナーや講演に参加してみましょう。何かしら得られるものもあると思います。

あと、お薦めの本です。
http://astore.amazon.co.jp/teshimad-22?node=3&page=4

障がい者関連では以下の本が非常に素晴らしいです。
    
「障害者の経済学」 中島 隆信 慶応義塾大学商学部教授 著
  
「働く幸せ~仕事でいちばん大切なこと~」大山 泰弘 日本理化学工業代表取締役 著   
     
やったことを振り返ってもう一回やってみよう


そして実行したことの結果を見てみましょう。

助っ人は応えてくれましたか?応募はありましたか?メディアに取り上げてもらえましたか?お店には取り扱っていただけましたか?仲間はできましたか?

結果が出なかった場合、もう一回なんでうまくいかなかったか考えて、もう一回やってみましょう。

100回やっても、101回目に実現するかもしれません。ビビる必要も構える必要もありません。人生は一回きりだし、失うものは何もないからです。

よく考えて、もう一回です。
  

さあ やってみましょう!

なかのひと
 
 
 
 

2012年8月16日 (木)

4.番外編 ⑤夢や目標を実現するには

 
「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」~弱みを強みに転じる生き残り方~

4.番外編


⑤夢や目標を実現するには

7年ほど前に誰かに勧められて、当時ブームとなった「手帳で夢をかなえる」という内容の本をいくつか読みました。最初は興味はなかったのですが試しにやってみようと、本に書いてあるように自分の将来の目標や、なりたい姿、夢をまとめて、それを年間・月間のスケジュールにしてみました。     

夢や目標は、欲しい物から収入といったことから将来の大きな夢まで様々。それらがどの年に実現するかを書いた年表を作ります。また、本で読んだよいことや、嬉しかったこと、やりたいことを書き込み、また夢のイメージなどをビジュアル化して手帳に貼ります。

この手帳効果がすごいのが、この7年間書いたことがほぼ実現してしまうという不思議な結果となったことです。欲しいものや大きなチャンスなど自分で欲しているものが向こうからやってくるようなすごいことが起きています。これは目標を持つことがよいのか、潜在意識の重要さなのかはっきり分かりませんが、自己努力と合わせて、願っていたことが実現してしまいました。

漠然と取り組みを行いたいと夢として書いていた、社会活動や新しいブランドも実現することができ、一見不幸とも思える外部環境の偶然の出来事により、しかるべき時期に取り組めるようなったのです。

すでに実現したこともあれば、手に入ったものもあるので、毎年お正月に作成する目標は少しずつ変りますが、最終的な大きな夢に向かって着実に進んでいる気はしています。

敬愛するバンドマンである故忌野清志郎さんも、デビュー当時に将来の成功した姿を漫画に書いていたとのこと。それも「漠然としたイメージではなくて、詳細に具体的に書くことが、夢を実現できることのイメージトレーニングになる」と本で語っていました。

もし将来に夢や迷いがある人は、この手帳作りを試してみることをお勧めいたします。やりたいことがある人はそれをより具体的・計画的に、やりたいことがはっきりしない人はやりたくないことを明確にすることから。小さなことから大きなことまで、願った夢が叶います。不思議ですが本当です。
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つづく

4.番外編 ④うまくいかないときは

  
「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」~弱みを強みに転じる生き残り方~

4.番外編


④うまくいかないときは

自分を信じる強さ  

誰にでもスランプやうまくいかないことは起きるものです。「こんなにやっているのにどうしてうまくいかないのか!?」。外部環境や、内部環境など様々な要因がありますが、そういった逆境は自信を失いがちです。多くの人は「やっぱり世の中は甘くないだろう」と言ってくれるでしょう。  

しかし、そこであきらめたら負けです。自分を信じて、自信をもっていきましょう。自分の才能を信じましょう。人よりも一所懸命やってきた自分の意見が、多くの人の多数決や、自分よりも突き詰めていない人の感性での意見にいちいち左右していたら本当に良いものはできなくなってしまいます。

いろいろなしがらみや制約はありますが、自分の情熱をそう簡単に諦めたりしてはいけないのです。そういった意味で、自分を信じる力というのもひとつ重要なことかもしれません。

自信過剰になるとか、自分のやり方をわがままに貫き通せというのではありません。全力を尽くしてうまくいくために行っている自身の取り組みを簡単にあきらめるなということです。
  
仮にその自分の「思いつき」や「思い込み」のこだわりの部分が多くの人の意見や自問自答から、うまくいかないものと気づいたときは、すっぱりとこだわりを捨て、最善策を考え直しましょう。逆に多くの意見も聞き、自問自答を繰り返した中で、それが最も良いと信じるならば、傲慢にならず謙虚な姿勢で、自分が責任を取る覚悟でとことん取り組めば良いのです。

揶揄や中傷には

自分が正しいと信じていても、一方でそのことで傷ついていたり、不快に思っている方も必ずいます。自分の気付いていないところで、誰かに悲しい思いをさせてしまっていることもあります。
  
そして、すべての人が自分の味方ではありません。味方もいれば、アンチもいます。黙り続ける人生ではなく、意思表示をする人生を選んだ以上それはしょうがないことです。 特にネット上の匿名性の高い媒体では、自分にとっては心無い中傷や揶揄も見かけるかもしれません。組織内でもそのようなことがあるかもしれません。最近は匿名性は担保されにくい時代となりめっきりなくなりましたが「障がい者を売り物にしてけしからん!」というような匿名の書き込みがあったことがありました。 
  
名乗ってのご意見ならばとことん話しましょう。しかし匿名での中傷や揶揄的意見の場合は気にしないことです。まったくの反対意見のない人は存在しません。

しかし、その意見の中には「真実」が含まれています。その声に耳を傾け、自分を客観的に見つめ、自問自答してみることが大切です。時には迷っても良いのです。失敗もあります。学び、そこから少しでも良い方向に進めればいいことです。


つづく

4.番外編 ③いまのベストを尽くすために

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」~弱みを強みに転じる生き残り方~

4.番外編


③いまのベストを尽くすために

腹を括る時期は必要

このコラムを読んでいただいている方は、仕事のことや生き方について、進路のことなど、お悩みのある方もいらっしゃるかと思います。自分自身もまだまだ不確定要素が多いのが現実です。 ゲーテの言葉に、「人は努力する限り迷うものだ」という名言があります。 迷ってもよいと思います。迷いこそが成長の元です。
  
しかし、ある時点で自分自身で「腹を括る時期」が来るのかなと思っています。多くは30代にその時期が来るのではないでしょうか。それは、自分の身の回りにあることや今まで過ごしてきた過去を編集して、自分の人生はこうで、このために頑張っていくのが自分の使命だ、と気持ちを固めるということと思います。

言い換えれば、今の時点で「自分のマーケティング戦略を立ててみる」ということです。夢も希望も無限ですが、折々に自分自身の方向性とやるべきことをはっきりさせたりすることは、人生のマーケティング戦略上もとても大切なことです。今やるべきことを明確にして、それにまっすぐ取り組み、「仮説と検証」を繰り返すのです。

予備校時代の先生に良い言葉をもらいました。

「明日いかにならむとは知らず、今日の日の今日するわざにわが命あり」

民俗学の柳田國男さんの言葉だそうです。 

本当に今日は今日しかなく、今は今しかありません。本当に今一瞬の刹那を大切にしていけると良いと思います。今ベストを尽くさないで、後で後悔しないように、今という今にベストをつくしていきたいです。人生の中で、努力をしている今一瞬の輝きが本当に美しいものだと思います。

一番大切なもののために今を生きる

本当の生き方とはあるのでしょうか。これは誰にとっても死ぬまでわからないことといえます。ただ一ついえることは、今現在の「自分の気持ちに正直になる」ことです。自分が一番嬉しいと思うこと、楽しいと思うこと、心が満たされること、逆に失っては非常に困ること、無くなっては生きる気力さえも失ってしまうようなもの、を明確に知ることだと思います。
  
そして、その「一番大切なもののために今を生きる」ということではないでしょうか。 それぞれ人生のステージで自分にとって一番大切なものは変わってくると思います。自分の場合は、今はやはり家族です。例えば子供が倒れそうな火の柱に下にいるならば、迷うことなくわが身を捨てて助けにいけます。
   
今はこんな感じですが、過去にはモノ、社会的ステータスを大切にした時もありました。それはそれでいいと思います。すべて手に入れれば良いのです。特にお金で買えるものは努力しだいで簡単です。
   
また、実践しているのは、どんなとき自分がドキドキワクワクするかを把握して、そのことをシンプルに実現すること。20代前半の頃は海外に行く際、この先のことを想像し、飛行機が離陸する瞬間にドキドキし、移動しながら本を読んだり考えたりする時にワクワクしていました。そしてその時は、その機会を増やそうと、旅行も含め海外ビジネスや出張の多い仕事を挑戦して、そのドキドキワクワクの瞬間を増やすことができました。
  
ブルース・リーの言葉に「考えるな、感じるんだ」という名言もあります。難しいことを考えるよりは、「シンプルなやりたいこと」を見つけて、その実現回数を増やすということが大切と思います。そうすることによって、次のステップがまた開けてくるのです。

また歌手のボブ・ディランの言葉で、「本当に幸せな人とは、朝起きて、自分のやりたいことをやれる人」というものがあります。本当にそうなりたいものです。

つづく

4.番外編 ②みんなちがってみんないい

  
「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」~弱みを強みに転じる生き残り方~

4.番外編


②みんなちがってみんないい

ちょっと個人的な話をします。

自分自身ある時から「人の持つ個性」というものを考えるようになりました。それは強い個性を持って生まれた長男のこともありますし、また自分のことについても。

今まで、ビジネスのマルチプレイヤーとして努力して来ました。自分では何でも出来ると思っていたし、会社でも認められたいとすべての科目で良い点が取れるように努めてきました。

昔勤めていた会社である時期、人事評価で全方位評価というのがありました。それは、人の様々な評価点をレーダーチャートにし、他の社員の人たちがその人を評価して、すべての項目が平均的に良くできて大きな円形に近いバランスの取れた平均的な優等生が会社でも好評価という評価方法です。
 
至らない点は直していくべきですが、「人は苦手なことがあっても(克服する努力は必要ですが)自分の得意なところをより伸ばすべき」「人の評価は多数決で決められるものではない」、と思い始めていた自分にとっては少し違和感を覚える人への尺度でした。 そこでなんとなく心に芽生えてきた考えは、「みんな同じ方向に泳がなくていいのでは」ということでした。

同じ方向に泳がなくてもいい

今まで自分自身イワシの群れのように似たような多くの人と同じく、同じ方向に同じスピードか少し早くを目指して泳ぎ続けてきました。しかし、元からその方向や同じスピードで泳げない人を身近に知ることによって、「すべての人がその同じ群れで、同じスピードで泳がなくてもいいんだ」と心底思うようになったのです。
 
「人にはそれぞれ持って生まれた個性があり、それを伸ばしていくことで非常に強いパワーが生まれ、その人らしい生き方が出来るのではないか」、「そして自分は自分の得意なことをより伸ばして、自分にしか出来ないことに価値を見出し、そのことで多くの人の為になろう」、「全科目平均点以上の優等生を目指すのはもうやめた」、「個性を強みとして活かして、自分にしかできないことを探してみよう」と。  

そしてちょうど新規事業の責任者となったきっかけで、何か次は自身の将来への課題も含めて、「障がい者のために何か役立つ事業」ができないかと模索を始めました。今まで得てきた知識や実績を生かして、なにか新しいことは出来ないか。次の大きな夢、自分の「使命」を意識し始めたのです。

そしてその後、新規事業を通じて人も事業も商品も「個性」が大切ということを身を持って学ぶことになりました。

個性を活かすということは、ビジネスにおいても自らの個性をとことん知り、それを強みとして活かしていくことで絶対に他社とは違う強い事業や商品が出来上がるということも実践して、結果を出していくことができたのです。

みんなちがってみんないい

好きな言葉に「みんなちがってみんないい」という言葉があります。これは子供の小学校の担任の先生がある年次にテーマにしていた言葉でした。この言葉は、詩人の金子みすずさん詩からのものです。


みんなちがってみんないい

わたしが両手をひろげても、お空はちっともとべないが、とべる小鳥はわたしのように、地面(じべた)をはやくは走れない。

わたしがからだをゆすっても、きれいな音はでないけど、あの鳴るすずはわたしのようにたくさんのうたは知らないよ。

すずと、小鳥と、それからわたし、みんなちがって、みんないい。


世の中にはたくさんの人がいますが、誰一人として同じ人はいません。それぞれに「個性」があり、得意なこと苦手なこと、好きなこと嫌いなこと、出来ること出来ないことなどがあります。自分自身にとっても本当にたくさんの苦手なこと、嫌いなこと、できないことがあります。
しかし一方で、得意で、好きで、できることもあります。 様々な選択肢がありますし、自分にとって向いていることそうでないことも。

苦手なことを克服していくこともとっても大切なことですが、そればかりに人生を費やしてしまうのはもったいないこと。伸び伸びと自分らしく個性に合ったことをどんどんと伸ばしていければより素晴らしいと思います。 それぞれの個性を認め合い、共に生きられる社会となっていかなければ、特に障がいを持った人はいつまでたっても幸せになれない社会のままです。

それぞれのハンディキャップやコンプレックスは、それぞれの個性であり長所です。「ダメなやつでもきっと何かかできる!」 人と競い合う競争社会を生き、できないことをできるように努力して、没個性の平均点主義を生きてきた自分に、なにをやるべきなのか、どう生きるべきかは、「みんなちがってみんないい」と教えてくれたのはとても身近な存在だったのです。


つづく

4.番外編 ① 個性を活かすマーケティングを生き方に応用する

      
「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」~弱みを強みに転じる生き残り方~

4.番外編

① 個性を活かすマーケティングを生き方に応用する

自分をマーケティングする
   
さて、今まで授産施設の製品づくりを中心書いてきましたが、番外編も書いてみたいと思います。

紹介してきましたマーケティングノウハウですが、「仕事においての自らの進路や生き方」にもそれは応用できます。 自分自身をとりまく外部環境を読み、自分にとって得意なことや苦手なこと、持っているもの持っていないもの、やりたいことやりたくないことなどの内部環境を明らかにし、自分をSWOT分析してみるのです。
   
「どういう強みと弱みがあり、チャンスとピンチがあるのか」。 そこで、自分はどのようなことをターゲットとして、そのどんなニーズに応えて、自分にしか出来ないことをやっていくのか、という自身の「事業領域・コンセプト」を考えてみます。

事業・商品・サービスの時と同じように、それぞれ自分にまつわる事象を編集して組み合わせてみるのです。出身地、性別、出身校、専攻学、趣味、特技、性格、家庭環境、などなど。例えばそれが同じ会社の経理担当者でも、「違い」を出していくことが出来ます。

会社や組織の中でも、そういった自分のポジションを明確にしていくと様々な局面で周りに必要とされたりして、「居場所」が見つかります。逆に、何の特徴も出来ることもやりたいこともはっきりしない、という感じでは周りも扱いにくいことと思います。

自分の事業領域・コンセプトを具現化するマーケティングミックスは様々です。たとえば転職を例に考えます。 たとえば転職する自分のコンセプトを、「日本の国力を高める事業活動を行っている国際化した日本の製造業の、グローバル経営を推進するための経理業務担当者が必要というニーズに対して、親が自営業で町工場を経営していた現場を見てきた自分が、海外留学経験と経理業務での実務能力を活かして、グローバルなものづくりの経理業務を提供する」とします。

製品は自分自身であり今までの経験や出来ること、資格など。価格は希望年収。チャネルはどのような経路で希望の会社にアプローチずるか人材紹介会社かOB訪問か直接か、プロモーションとしては履歴書や職務経歴書、資格取得、経理に関するブログなどで自身の取り組みを伝えるか、など。こうして自分をマーケティング、売れる仕組みをつくるのです。

その際に、事業・製品・サービスと同じく、すべてがバラバラ、強み弱みがはっきりしていない、自分のことが良く分かっていないようではなかなか面接官を納得させることは難しいでしょう。「腹に落ちる話」に組み立てていくことが重要となります。

転職ではなくても、自分自身を明確にしてアピールしていくことは、多くのチャンスを人生にもたらします。自分の事業領域・コンセプトを明確にして、様々な取り組みを行い、それで人に会う、フェイスブックやブログ、ツイッターなどの個人メディアでプロフィールややりたいことを公に発信していくことで、会ったことのない多くの仲間に出会えたり、思わぬチャンスが訪れたりと自分が売れるチャンスを作り出すことが出来ます。

特に今の時代は世界に開かれたインターネット上に様々な個人メディアがあります。もしみなさまで個人のフェイスブックやブログなどに取り組んでいない方がいましたら早速始めてみてください。

自分のプロフィールややりたいこと、日々のことを公表することで、外部の人に対する自分の立ち居地や見え方も意識するようになり、他にはない個性についても考える良い機会にもなります。

こうして自分もこのブログにて、プロフィールや自身の考え、仕事のこと、日々の活動などを不定期に書いているだけで、本当に多くの方に出会え、たくさんのチャンスをいただき、新しい世界にお誘いいただけました。

これは自然に、自分の売れる、生きられる仕組みを作ってきたということになります。ぜひみなさまも開かれた世界に自らの個性を活かしたマーケティングを行ってみてください。
  
厳しい社会にも個性で生き抜く

仕事を行っていると、「生き馬の目を抜く厳しい競争」にさらされるのも現実です。特に、自営業者や経営者として独立している人にとっては、常に厳しいビジネス環境にさらされ、場合によってはその競争に負け会社や家庭を維持できず、食べていけなくなるというリスクを日々少なからず感じているのではないでしょうか。

例えば、「近所の他の施設が同じような製品を格安で販売開始した」、「長年やってきた下請けの仕事が終了」、「自分のお店の近くに大手の競合店が出店」、「関与している事業からいつの間にか外される」、など日々起こることです。

商品やサービスが単なるモノや作業であれば、特別な特許や先進技術がない限り、同じようなものが次々に出て、すぐに価格競争に巻き込まれ、それは自らの手から奪われてしまいます。その事業やサービスが自分以外の他者の要素に依存すればするほど、後から大きなパワーに脅かされるものです。
  
しかし事業やサービスを、「自らにしか出来ないこと」に、単なるモノから「なにか違うレベルのもの」に昇華させられたとき、その他大勢からの混沌とした競争の日々から脱することが出来ると思います。
   
不本意なことはビジネスマン個人であってもある事です。自分にとってはいやな異動や転勤を飲まざるを得ない、立ち上げてうまくいった事業の担当をビジネスが軌道に乗ったら外されてしまう、正当な評価が得られないと悩む、実力によって激しいポジション争い常にあるし、組織の派閥や利権、保身をめぐる対立なども存在し、厳しい競争環境にあることは現実です。
      
そういったことから身を守るためにも、日々自分にしか出来ないことを見つめ得意なことを追求し、「個性を活かすマーケティング」を自分に当てはめて実践し、「自分しか出来ないこと」で勝負をしていかないといけないのです。

様々な自分を脅かす出来事は起きますが、自身の身の丈を知り、他では絶対に出来ない自分の得意なことを、日々愚直にコツコツ取り組んでいく努力を重ね、周りを気にせず泰然自若と構えていけたら素晴らしいことと思います。
  
つづく

2012年8月15日 (水)

3.事業を成功に導くには ⑦共感者のみがお客さま 共感を得られるお客さまを探す

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

3.事業を成功に導くには

⑦共感者のみがお客さま 共感を得られるお客さまを探す

共感してくれる人がお客さま

授産施設において新しい製品を企画し、販売していくにあたって気づくことがあります。それは製品として他との差別的優位性を出しにくい製品であればあるほど、共感に訴えて売らざるを得ないということです。

セルザチャレンジのプロジェクトでは、できれば一般社会とのつながりが薄い授産施設で働く方々の製品を一般市場に展開、今までのバザーだけではなく都心部の百貨店やおしゃれなショップで販売することで、仕事に携わった人が社会とつながり、そして本人の活動が都心の小売店のスポットライトが当たる売り場に並ぶことで「~~さんの作ったものがあのお店で売っている」という家族にわかりやすい取り組みを目指してきました。

ビジネスのプロであるプロジェクトメンバーは、洗練された売り場に並ぶ一般製品に負けないようなコンセプト、素敵なデザイン、価格、品質を目指して同等の製品に作り上げています。
    
しかし、その同等である一般製品から、障がい者の手によるものを選ぶお客さまはどのような人だったしょうか?その製品や取り組みをに共感し、応援し、製品を購入してくれたお客さまは?

ほとんどが障がい者とご縁のある人です。

またこういった経験があります。前述した「陸前高田 冰上 福幸梅」の販売に際しては、都心の高級スーパーや百貨店の食品売り場などといった、梅干しとしてのプレステージとなる売り場への導入も企図していました。
      
それは、地方の施設の現場とそこで働く障がい者と、東京のピンの売り場を結び付けることで、やりがいやニュース性、ブランドイメージ、施設の取り組みの革新性を得たいと思ったからです。そしてそれまでは自分自身も障がい者が作るものでも、最高の売り場に置くことにこだわり、意地になって進めてきた感じもありました。

セルザチャレンジメンバーによるクオリティの高い広報活動も行い、また力を合わせて各々宣伝し、様々なイベントでの紹介も行いました。
  
戦略はしっかり立てていましたが実際に営業活動を始めた際、梅干しを持ってご紹介などをいただきながらターゲットである高級スーパー・百貨店に営業に伺いましたが、品質の安定性その他の要因も含めて惨敗でした。7月に発売した梅干し2,000パックは、事務所に積み上がり、毎日何とかしなければと焦りがありました。自分自身にとっても初めての商材で難儀しました。
    
マーケティングのプロフェッショナルであり、ターゲットを定めて戦略をつくり、最適なマーケティングミックスで提供せよ、と講釈を垂れている者が全く面目のないことです。
   
高級店への導入に躍起になっていた自分が、とにかく売らないとまずいと思った時に、救いの手を差し伸べてくれた人たちがいます。

それもほとんどが障がい者とご縁のある人です。

それは、バザーを行うという東北以外の福祉施設、授産製品のお店を経営されている人、今まで障がい者支援をともに目指し一緒に仕事をしてきたパートナー企業の経営者、障がい者の雇用創出に理解のある人、学園祭などを実行する社会貢献に興味のある学生さん、セルザチャレンジメンバーの知人、などでした。

そして、瞬く間に事務所に積まれていた梅干しは完売となって無くなったのです。  
  
分かり合える人と共に生きていく

今まで、授産製品を一般流通で、一般製品と並べて負けないように、品質や価格で勝負し、一般消費者に広く販売する、ことにこだわってきた自分に少し悟りが得られました。

ベストを尽くしてもわかってもらえない人より、より分かっている人に先に販売したほうが双方ハッピーである、ということです。
自分自身も家族に障がい者がいなければ、授産製品などきっと全くどうでもよいことだったと思います。自身が最貧国で出会う人のために製品づくりを手伝う機会がなければフェアトレードなんでどうでもよいことだったと思います。

それよりも、そういった取り組みを応援したいと欲している人たちがいるのです。その人たちにコミットした製品やサービス、取り組みを行ったほうが、マスに向けたメッセージより実が得られると思います。マスもよいですが、コアな共感者のニーズを満たすことが先です。言い換えれば既存顧客での売り上げを上げることが先です。

障がい者に関係する人は日本に何人いるでしょうか?1,000万人近い手帳を持つ人にその家族、福祉の現場で働く職員の方々。それを考えると、最低3~4千万人の人が障がい者に関係する人ではないでしょうか。これをしっかりカバーできれば市場規模としては十分すぎるターゲットです。

福祉の現場の製品を目立つ都心の売り場でも展開します。そして福祉の現場を知らなかった新たな人を製品を通じて共感者としていきます。一方、共感者に確実に届けるためにバザーや福祉ショップなどでも販売していきます。この組み合わせが一つの答えと思います。

手堅い成功には

そこで、授産製品を施設職員の皆様が自力で販売していく際は、とにかく身近な理解者、共感者から販売していくことをお勧めしています。そのほうが、まだ見ぬ都会の大きなお店に並んで買われるか買われないかということよりも、確実だからです。

それは、すでにその取り組みの応援者であり、共感者であるからです。その人が喜ぶような製品をつくって、買いやすいチャネルで販売する。バザーでもよいです。そういった取り組みがまず大切です。

地域に根差した製品であれば、近所の道の駅も良いチャネルです。近所の町のお店で扱っていただけるよう一軒一軒訪ねてみてください。東京の県人会や県産ショップもよいです。

地元の地方紙やコミュニティ誌に案内してみてください。

競争力のある製品に仕立てたうえで、さらに共感でこの製品を選んでいただく。

宣伝告知もフェイスブックなどを通じて、知人友人からです。自分自身を応援してくれる仲間が先です。ソーシャルメディアの発達で、同じ悩みや考え、感覚を持つ人がつながりやすい時代になっています。

まずは身近な共感者から。そしてその共感者をどんどん増やしていく。

手堅い成功にはそのような視点が大切と考えています。

つづく

3.事業を成功に導くには ⑥人生はや事業は自分で決めるものではなく、人が決めるもの

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

3.事業を成功に導くには

  
⑥人生はや事業は自分で決めるものではなく、人が決めるもの

よく「自分はどうするべきか」、「この事業はやるべきか」などと頭を悩ませ行き詰ることもあると思います。そして自分の人生や事業は自分で決めるものと思っている方も多いと思います。自分自身もそう思ってきました。
   
しかしそれは少し違うことと最近気づきました。実は「自分の人生は人が決めること」なのです。以前に夢を手帳に書いて全て得られたことも全て人から与えられたものでした。

これは、何も自ら決められず自暴自棄になれというのではありません。
自らの夢を持ちベストを尽くした上で、その先は自分の意思や希望を超えた外部の環境が進路を決めていくということです。

自分がやりたいことがあっても外部環境がそれを許さなければ出来ません。受験、就職活動、昇進、転職、独立、新規事業、経営など。

自分自身も努力は重ねてきましたが、多くのことは外部から転機をもたらされ、人に導かれ進んできました。様々な取り組みや事業、製品開発は、偶然の出来事から、また多くの方にお声をかけていただき、自分では気づかないような「新しい世界」に進んできたのです。  

今まで手掛けてきた事業やブランド、製品は、自分一人で開発・発明したものではなく、多くの方々のお声掛けから実現することのできたものです。また力を尽くしてもうまくいかなかった撤退事業も今から考えればとても良い経験になっています。

最高のプレゼント・チャンス・幸運のノック
   
様々な出来事が私たちに起きます。出会いや別れ、環境の変化や、難題を抱え込む、幸運が舞い込むなど。
それは「チャンス」であり、「メッセージ」であり、「進むべき道」ともいえます。それらの小さな出来事に五感をフルに使い気づいて、それを活かしていけばおのずと自分の生き方は定まってくる、道は開けてくると思います。  

もし、思い通りでない、一見不幸にも感じるような出来事があったとしてもネガティブにとらえる必要はありません。それはあなたにとって最高のプレゼント、チャンス。最適な時期に訪れた「幸運のノック」なのです。その先に開かれた未来があるのです。

自分自身はこうして、障がい者の地域における「生きる場」づくりをお手伝いさせてもらうきっかけを、障がいを持つ長男の誕生から得ました。本人には申し訳ないですが、自分自身とっては将来への大きな不安と日々の苦労を得ることになりますが、生きがいを見つけられた最高のプレゼントであると考えています。

事業もそうです。きっと真摯に日々取り組んでいれば、「幸運のノック」が訪れます。自分が自ら動いて、ある場所にたどり着きノックされるのを待っている状況かもしれません。それは、必死に職場で取り組んでいる姿を見て、誰かが声をかけてくれる時です。そこに新しい製品やサービス、取り組みが生まれることになります。
   
一所懸命に日々努力を重ねていれば、実は人があなたを進むべき道に導いてくれることになるのです。どんな事業を行ったらよいか悩むとき、どんな人生を送ったらよいか悩むとき、人が自分の道を決め、開かれていきます。

 
つづく

3.事業を成功に導くには ⑤戦略や知識を身につけた上でその先にあるもの

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

3.事業を成功に導くには

  
⑤戦略や知識を身につけた上でその先にあるもの

神がかった追い風
  

ビジネスとは不可解なものです。確かな戦略に練りに練って正攻法でせめても、同じような製品を同じ様に売ったとしても、時期と状況によってまったく反応や結果が異なることがあります。
机の上の戦略とは別のところに、「商売の運気」というものはあって、その運気をタイミングよく掴み、風に乗らない限り事業はうまくいかないのです。

事業やブランドの成功には、時代の機運や必然性など大きなうねりの中で、「神がかった追い風」が起きるもの。 世の中にはそんな風が吹いているのです。その風向きが読めるようになったら天才ですが、努力しだいでは感じる力を養うことができると自分は考えています。

風向きを読む力の会得には  

この風向きが読める力の会得には、ロックバンドの成功事例や長年活躍しているロックミュージシャンのアウトプットを研究しています。場の空気を捉えて、呼吸を読み、ライブ会場を盛り上げる能力と、新しい曲を発表し続ける先見性、多くのメンバーと息を合わせて共に音を出し、演奏をして感動を与えるアウトプットをする能力は音楽ビジネスが結構参考になると思っています。
特に、長く音楽ビジネスを続けているローリングストーンズや故忌野清志郎さん、矢沢永吉さんの活動を研究していますが、非常に参考になることが多いです。

ライブとレコーディング

新しい事業や製品をつくりだす際に、自分自身が行っているやり方としては、たくさんの人と会って自分のビジネスややりたいことについて話やプレゼンテーションをしています。そして、多くの人の反応を見、意見を聞くのです。「どんなところに人は面白みを感じるのか」、「共感得られるのか」、「逆にあまり興味を示さないのか」、その気配を知ることが新しい価値を具体的に形にしていく際に大切なネタとなります。これはライブ活動と同じです。
そして内容をより良くしていき、ライブで人気のある曲をレコーディングするのと同じように事業や製品を作っているのです。当然レコーディングに至らなかったボツの曲もたくさんあります。

「できるかできないか」ではなく「やるかやらないか」
   
また、生き方についても同じです。自らのベストを尽くした上では、最後の運は風まかせです。思い通りにならないことは多いですが、それも人生です。その代わりに、悔いを残さない日々を生き、一日一日自分のベストを尽くしてやるべきことをやりぬくことです。できるかできないかで悩む必要はありません。やると決めたら、やるだけです。
  
運そしてチャンスは、万人に平等です。世の中の風を感じ、人の機微を読み、それを捉える。非常に難しいですが毎日挑戦していかなければならないビジネスや人生に大切なことといえます。

トーマツコンサルティング時代の先輩である国京さんにいただいた武者小路実篤さんの詩です。


もう一息

もう一息というところでくたばっては何事もものにならない

もう一息それに打ち克ってもう一息それにも打ち克ってもう一息もう一息

もうだめだそれをもう一息勝利は大変だ

だがもう一息  


どこかで誰かが見ています。いつかその努力が認められる時が来ます。事業も生き方も「自分を信じて前進あるのみ」

「できるかできないか」ではなく「やるかやらないか」、です。


つづく

3.事業を成功に導くには ④事業へのインパクトを常に考えているか

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

3.事業を成功に導くには


④事業へのインパクトを常に考えているか

日々様々な活動を行う中で、とかく「仕事のプライオリティ」を忘れがちになることがあります。そういったときは常にそれぞれのことの「事業へのインパクト」を考えて行動するべきです。

果たしてその活動が事業の成功要因になるのか、そのスイッチが事業の大きな歯車を回転させる核心を突くスイッチになるのか

例を挙げましょう。

様々なお客様に訪問して営業を行っているが、時間がなく一ヶ月に行けるお店は限られている。今月の訪問は「商圏も小さいエリアのお店に行くか、商圏も大きい売上げの大きいお店に行くか?」今ここで最も重要で、事業へのインパクトが大きいのはどちらか? 今プライオリティをもってやらないといけないことはどちらか?

新しい製品を発売するにあたり、知り合いのお店に商品を導入してもらうと、その隣にある最近注目の有名店には入らない、両方のお店からお取扱いのオファーが来た。「最終的なビジネスとしてのより大きな結果を得るには、さあどちらのお店を選ぶのか?」どちらが将来的に事業へのインパクトが大きいか?  

ある業界においては市場リーダー的トップランクのお店に製品を取り扱っていただくことが決まった。販売スタッフの皆様も製品説明会など熱心に参加してくれ、とてもやる気になっている。そうしたら同じフロアの同業種の市場フォロワー的お店からもお取扱いのオファーがあった。こちらはそれほど注目されているお店ではない。「単に店舗数を拡大するには2店舗ともに入れるべき、しかし両方で販売すればそれぞれのお店の販売スタッフさんの販売士気は下がるかも?」さてどの方法が事業へのインパクトは大きいか?  
  
などなど、日々の仕事の中でも悩ましい選択肢が出てきます。そこは冷静にどのような取り組みが最終的に事業に大きなインパクトを与え、良い結果になるのかを考えて取り組むことが大切です。
   
物事はこうあるべきとか、こうでないとダメという堅い考えを捨て、柔軟に臨機応変に対応していくことが大切となります。今自分がやるべきもっとも重要なことを意識しながら行うのです。

つづく

   

3.事業を成功に導くには ④情熱で協力者の心を動かし事業を成功させるパワーと運気をつくる

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

3.事業を成功に導くには


④情熱で協力者の心を動かし事業を成功させるパワーと運気をつくる 

協力者なくしてビジネスはできない

ビジネスに大義名分が必要と述べましたが、ビジネスを行う上で大切なのは協力者です。4C分析と言って、自社をとりまく外部・内部環境の要素としての4つのC、カスタマー(顧客)、カンパニー(自社)、コンペティター(競合)、コーオペレーター(協力者)のうちのひとつです。

どんなビジネスを行うにせよ、自社および自分自身では何も出来ないのが現実です。多くの力を貸していただける協力者の方と共にビジネスを組み立てていかなければなりません。ビジネスを成功させるには協力者の方の心も動かし、賛同を得て大きなパワーによるうねりを作っていくことが大切です。

協力者とは、自らの製品を作る原料を供給してくれる方、自らの製品を作ってくれる工場の方、製品を作る際に必要な機械設備を供給してくれる方、製品を販売してユーザーの方に届けてくれる流通業の方、販促物など製作物を担当するクリエイターの方、雑誌や新聞などに記事を掲載してくれる記者や編集の方などの様々な方です。

事業を成功させるパワーと運気をつくる 
   
人の心を動かすには、お金や利益の力が強いのかもしれませんが、それ以上に人としての共感や相手にお任せする信頼関係が大きなパワーを持ち、力を生み出す源泉と自分自身は思っています。そして、お金では買えないような不思議なパワーを発揮し、皆の力が合わさり神秘的ともいえる事業の成功が得られるのです。莫大なお金があるなら別ですが、それも限られていること。お金で動かした人は、お金がなくなれば消えて行ってしまいます。  

とくに授産施設や社会的に弱い立場にある人たちの事業に大きな資金はないことが多いです。しかし、お金以上の挑戦に対する純粋な気持ちと、人を動かす共感の要素はあると思います。

自分自身も、独立して小さな会社の経営者になって初めて気づいたことですが、自ら会社を経営している経営者や自営業にて仕事をしている製作者、また無形のクリエイティビティを追及する仕事をしている人には自らに裁量があり、本当に力を貸して取り組みたい事がある場合は、自らが身をすり減らしてもそれに応えたいという狭義心があります。
     
それは不思議な空気であり、事業を成功させる運気です。それは消費者にも伝わる事業のパワーとなります。 徹底的なコスト削減や自社利益の最大化も非常に大切ですが、それだけがビジネスの成功要因ではありません。事業の成功には、目に見えない気持ちや空気、狭義心が重なった大きな運気が大切なのです。

自分自身その逆の経験もあります、一般的なビジネスでの話ですが、経営者とのご縁で一緒に事業を行っていたビジネスパートナー(先方は規模が大きいのでこちらは下請けという感じでしたが)の社員の方で大変お世話になった方がいましたが、コスト管理に優秀な方で折々にお金や主導権など契約条件の話が付きまといました。
   
ビジネスの成功はコストの圧縮ではなく事業の拡大ですが、多くのクリエイターが関与しての「よーし、売っていこう!」という事業では、何かにつけてそういった萎える話が多いと、どうも気が抜けて腰砕けになりうまくいかないものです。
    
作り出していこうとする製品やサービスは、唯一無二のものは稀でほとんどが競合が存在するものになります。互角の力を持つ競合製品を抑えて、自らの事業を優位にするには製品スペック以上の巨大なパワーが必要となります。

やると決めたら一緒に事業を行う仲間を信頼し、共に目指すものを共有し、気持ちよく全員で力を合わせて大きな運気を作り出し、成功を享受することが大切です。

情熱で協力者の心を動かす

最も大きなパワーを作り出すには、事業に対する大義名分を持ち、より多くの協力者にやる気になっていただくこと
です。協力者に気持ちよく仕事をしてもらいその仕事以上の強力なパワーを生み出していただくことで事業全体、関係者全体の利益を最大化、その上で自社の利益も得ていく柔軟な思考と度量も大切になります。
   
そして、その事業に取り組む人、施設の職員、担当者が誰よりも情熱をもって協力者を巻き込んでいくことが必要となります。情熱以上に人を動かすものはないのです。

組織の中でも同じです。共に働く職員は協力者です。リーダーは情熱をもって事業を動かしていく存在にならないといけないのです。

様々な外部企業などとのコラボレーションが革新を生み出す

福祉の現場での成功事例は、福祉施設の独自展開ではなく外部のパートナー企業を巻き込んでの事業展開が多くなっています。たとえば企業のフランチャイズとして福祉施設がフランチャイジーなる方法や、企業の主力製品の一部を生産する下請け業務を受託する、外部のクリエイターを施設の商品づくりに参画してもらう、などの協業による新たな取り組みが生まれています。

企業としても最近はCSRとして社会的活動を行っていくことが、企業価値の向上にとって大切であり取り組みを模索していますし、施設にとっても確実な仕事としてビジネスのプロフェッショナルである企業との協業は、独自事業の展開よりもスピード早く、より成功確率の高い取り組みとなっているのです。

どうしたらそのような外部企業やクリエイターと協業できるのでしょうか?
  
それは簡単です。協力を仰ぎたい相手の心を動かすメッセージをメールで送ればよいのです。心を動かせば力をくれるでしょう。情熱をもって行えば出来ないことではなのです。

つづく

3.事業を成功に導くには ③対価は感動、ビジネスは大義名分を

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

3.事業を成功に導くには


③対価は感動、ビジネスは大義名分を

感動させるものを

私たちは、ものやサービスを買う際にお金で買います。そのお金は、何にでも使えるものですから、三度の食事よりも何かが好きな人はそのことに多くのお金を使います。おなかが減っていても、映画が見たければ映画を選びますし、映画よりも雑貨を買う方がうれしい人は雑貨を買うでしょう。

製品・サービスの競合は、そのターゲットを感動させるものすべてなのです。そして、多くの消費者の選択基準は感動の大きさと思います。
「この値段でこの製品は安い!」、「これを部屋に飾って眺めているだけで幸せな気分になる!」、「この化粧品の使い心地と香りは他にはない!」、「こんなおいしいものは久々に食べた!」、「本当に気持ちの良い接客サービスだった!」、「今このことに多少のお金を使ってもまったく惜しくない!」などなど。

その製品やサービスを通じて、「どれだけ人を感動させるか」、この感動をより多く作っていくことも大切です。 また、事業や製品・サービス、会社、団体のあり方などに「大きな共感」を持っていただかなければ、なかなか多くの方には支持をいただくことは出来ません。

会社や団体の取り組みに、共感を持っていただくことも非常に重要なポイントとなります。 そのためには、事業に人の心を動かす「大義名分」が必要になると常々感じています。

このモノやサービスが有り余る今、単なる製品仕様の良さや価格の安さだけでは人は動きにくくなっています製品仕様や価格などは同等としたうえで、さらに多くの人の心を動かし、共感を得、応援されるような大義名分をもった製品やサービスが今後は求められていくものと思います。

特に、社会的弱者や、働く意思のある障がい者がかかわる授産製品の場合は、大きな社会的意義があります。 そのことを伝えていくことも大切なプロモーションです。それを押し付けがましくなく、ターゲットが喜ぶような表現方法で具体化していくこと、そこに授産製品のあるべき姿があります。

製品としては一般製品と同等の品質を目指す、一方で製品づくりの背景にあるストーリーは多くの人を感動させる挑戦であること、そういった製品・サービスづくりを目指していく必要があります。

つづく

3.事業を成功に導くには ②アウトプットするには、人に会い、書を読み、旅に出る 

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

3.事業を成功に導くには


②アウトプットするには、人に会い、書を読み、旅に出る 

人の「アウトプットはインプットの質と量に確実に比例」します。それは勉強もそうですが、ビジネスや人生経験も同じことがいえます。昔の芸人は、芸に深みを出すために様々な遊びに興じたといいます。色々なアイデアや考えを出すにはたくさんのインプットがあればあるほど良いとつくづく思います。

色々と仕事と勉強を重ねていくと、いつの間にかビジネスやマーケティングなど基礎の理論や考え方は、自分の中で消化されて「思考のプラットフォーム」ができ、物事が効率よく精度を上げて考えられるようになります。

その考え方のプラットフォームが出来た時に、効いてくるのが様々なインプット
新しい事業のアイデアを思いつくときには不思議と、人と話したこと、旅で体験したこと、立ち読みした雑誌、毎日なんとなく読んでいる新聞、何気なく見ていたテレビなど、ほとんど憶えていないような情報がネタにつながります。脳が忘れていたことを思い出し、テーマにあわせて新しいアイデアを編集してアウトプットするイメージです。

インプットとしていいのは、「たくさん人に会う」、「現場100回」、「何でも経験してみる」、「話題の店や場所には必ず行く」、「高級そうなところにも行ってみる」、「お薦め本は読む」、「毎月本屋で全ての雑誌を立ち読みする」、「新聞は見る」、「気になったことは全て検索する」、「行けるだけの場所に行く」、「できるだけのスポーツに挑戦する」、「海外のトレンドや文化を紹介するテレビは出来るだけ見る」、「各地の歴史を研究する」、「ポップカルチャーを研究する」、「最新のファッションを研究する」、「気になるものの歴史やディテールを研究する」など。

人が平等に持っている、限られた時間でいかに多くのインプットをするか。そして多くの新鮮なネタを仕入れ、自分で加工してアウトプットするか。 

自分自身も昔、辺境への旅で赤痢になったり、テロで危うく死にかかったり、お金を騙し取られたり、逆にたくさんの人にお世話になったりして楽しかったこと。事業がうまくいかず家族を抱えて生活が極度に不安定になったこと、厳しいビジネスの交渉を何度も重ねたこと、逆にビジネスが大成功してほしいものを手にいれたこと。
など色々な日々の出来事が血となり肉となっていて、アウトプットに生かされています

また読書が好きでたくさんの本を読みますが、インプット作業の効率化のため徐々に速読法も身についてきました。そして、よく様々な人とランチをご一緒して情報交換しています。日々のインプットはとても大切と思います。

転職等についてもインプットを増やすため、お金よりも夢のための経験というインプットを選んできました。中小企業診断士の勉強による経営の知識の習得も大きなインプットです。特に先の見えない時代は自分への投資が大切。今のインプットがどこかで必ず活きてきます。

新しいビジネスや製品を考える際も、その日々のインプットが効いてきます。とにかく貪欲にいろいろなものに興味を持ち、いろいろな人の話を聞き、いろいろな本を読み、いろいろなところに行ってみるということが、よい結果を導く底力になります。迷わずなんでも挑戦してみましょう。


つづく

3.事業を成功に導くには ①新しい企画の生み出し方 

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

3.事業を成功に導くには


①新しい企画の生み出し方 

さてこれからは、マーケティングおよびビジネスの中での参考になるポイントをご紹介していきましょう。

アイデアは組み合せと編集

では具体的にどのようにして新しい事業や製品を考え出していくのでしょうか。個性を持った新しい事業や製品・サービスに関しての生み出し方の一つとして、いかに「様々なことを組み合わせて編集する」というアプローチが有効です。製品などに関わる様々な要素、SWOT分析で挙げた強み、「地理」、「歴史」、「個性」、「特技」、「協力者」などをたくさん組み合わせてみるのです。
  
そうすると、個別の事象では特に珍しさのないものでも、組み合わせてみることで個性のあるものになることがあります。事業と地理的要因を組み合わせてみる、製品とこの地方の歴史と組み合わせてみる、自社と協力者を組み合わせてみる、などです。

各地域にある授産施設で個性のある製品づくりを行う際には、自分の場合はその土地のリサーチから始めます。歴史、地名、その地に伝わる伝説など。やはり、所在地というのは世界でも国内でも大きな差別化要因になります。特に地域に密着している授産施設が取り組むべき個性のある事柄は、その土地でしかできないことなどを考えることが大切になります。

授産製品で自身の施設で差別化できる製品を考えようと思った時は、まず以下のことを調べてみてください。

・施設がある場所の歴史
・地名の由来
・昔からどのような場所であったか
・伝わる昔話
・名産のもの
・近所にある史跡など
・何か今まで話題になったこと
・その土地の特徴
・施設の由来
・地元出身の有名人
・近所の有名店
・・・・

例としては、セルザチャレンジのプロジェクトで2011年に行った陸前高田市の授産施設の梅干しを販売するプロジェクトでは、単なるどこの地方にでもある梅干しを、施設の裏にある1000年以上の歴史のある氷上神社のご祈祷や縁起物としての使用シーンの設定、被災地の復興と掛けたネーミング、などを組み合させることで個性のある梅干しにするアプローチをとりました。

商材としては差別化の難しいものも、その土地の個性を結びつけ編集することで、その他の地方では絶対できないユニークな、世界で一つのものに仕立てあげることが可能となります。

その梅干しは「陸前高田 氷上 福幸梅」として、都心部で作った分だけ約2,000パックを完売(試行錯誤はありましたが)する製品になりました。

その組み合わせは、単に梅干しがほしいという人をターゲットとしていたわけではなく、何らかの形で東北の復興の力になりたいというターゲットの顧客の心を捉える製品になりえたのでしょう。

 Photo_3
陸前高田 冰上 福幸梅 ホームページ
http://www.facebook.com/sellthechallenge/app_197667490251160
   
このような例をもとに、ぜひご自身の製品を土地の個性と結び付けて考えてみることをお勧めいたします。

そしてその組み合わせの基準はあくまでターゲットが喜ぶものであることです。
雑誌の編集という仕事がありますが、その典型です。特にファッション誌等は、特定のターゲット読者が喜ぶ記事を考え抜いて作り上げるのです。

何を載せてもよいページに、読者が喜ぶファッション、読み物、食べ物についてなどなど、ライフスタイルを提案する様々な要素・コンテンツを編集します。そうして、ターゲットから支持され何万人という読者を獲得している雑誌があります。一方でターゲットが定まらず、またターゲットとしていた人たちにも喜ばれない雑誌は売れずに廃刊になってしまいます。

雑誌の編集と同じように、ターゲットに対して様々な要素を組み合せ一つの製品・サービスとして提供することができれば、それこそが支持される製品・サービスになりうるといえます。
  
今まで思いつかなかった組み合せで差別化する

様々な組み合させで、たまに自分がやる新しいアイデアの生み出したかとして、エクセルの縦軸と横軸に、気になるキーワードを入れて縦と横で組み合わせてみたりします。頭の中では思い浮かばないような、組み合わせが出来ることがあり、面白いアプローチとなります。

何千という考えても見なかった組み合わせの中に、キラッと光る面白いネタが出てくることがあります。通常はこの組み合わせを頭の中で行っているわけですが、時に思い浮かばなかった組み合わせが出てくることもあるので、お勧めです。

施設のある地域にまつわるキーワードを無作為に組み合させてみても、面白いアイデアが出てくるかもしれません。

アイデアの熟成と具体化

そしてアイデアを生み出すために、たくさんの情報で頭を充たし後そのアイデアの熟成を待ちます。頭の片隅で考えながら日々過ごすのです。そうしているうちに潜在的にだんだんとアイデアが固まってくることがあります。その場合は、はっきりしたアイデアでなくてもスケッチブックのような自由帳にイメージをさっと書き出してみることで、より具体的になってきます。
  
名案は、「三上」で浮かぶという言葉があります。「馬上、枕上、厠上」ということで、移動中、就寝中、トイレ中ということです。実際に僕の場合も、移動中に良いアイデアをアウトプットできることが多く、スケッチブックを持って電車や飛行機での移動中にいろいろ考えるようにしています。


つづく

2012年8月14日 (火)

2.個性を活かすマーケティング入門 ⑨うわさになるプロモーション

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

2.個性を活かすマーケティング入門


⑨うわさになるプロモーション

だれでもできるプロモーションのやり方
   

いま新しい製品やサービスの認知拡大に効果的なのは、雑誌や新聞等の「パブリシティ(記事)」で多く扱ってもらうことです。最近は、テレビのCMや新聞の全面広告よりも記事のような形で取り上げられるほうが、広告を敬遠する消費者に注目されるようになって来ました。
  
雑誌や新聞に多く出ている製品は注目されますし、何か公に認められた感が出て信用力も得られます。話題となりネット上の口コミも生じ、さらには掲載記事が営業時や店頭での販促ツールにもなります。
     
各メディアへのアプローチ方法は、資料送付を雑誌社編集部・新聞社等に対して行います。この活動を「プレスリリース」といいます。また、「キャラバン」といって、雑誌社などに商品を持って説明をしにいく方法もあります。自らの製品のコンセプトや優位性をまとめた資料を作成し、分かりやすくニュースを伝えるのです。
    
授産施設の小さな取組であっても、プロモーションはとても重要です。経験がなくても、プレスリリースは誰でもできます(プロに頼むともっとすごいですが)。書店で販売されている「PR手帳」などで新聞社や出版社、テレビ局などの住所を調べて、またインターネットでメールアドレスを調べて資料を送付してみればよいのです。とにかく挑戦あるのみです。

プレスリリースを作りながら仕事を進める

新製品の発売は、世の中に対する新たな価値の提供
です。もしその新製品が「ニュース」にならないような新規性のないものでしたら、世に出す意味がありませんし、事業の成功もおぼつきません。
  
自分が行っているやり方で、製品やブランドの開発時にすでにプレスリリースを作りながら仕事を進める方法があります。それは、新製品・サービスが世に出て新聞やテレビのニュース、雑誌に取り上げられた際、どのような感じになるかを想定しながら進められることができます。たいしたニュースにならないようであれば、さらに強い製品にしたり、コンセプトを掘り下げたりと手が打てるのです。どうせやるなら、世の中の人をあっと驚かすような今までにない「新しい価値」を提供したいものです。

メディアは新しいニュースを欲している

ニュース、新しい情報を人に伝える媒体を持つことで集客し、新聞や雑誌を販売したり、広告収入などを得ているメディアは、今までにない新しいニュースを欲しているのです。新規性のある取り組みについてのプレスリリースを発信するとき、価値の高いニュースであれば喜んで記事にしていただけます。

また、個人へのご紹介もしかりです。ツィッターやフェイスブックなどで、今までにない新しいニュースを伝える場合、その取り組みにを、自分の知人などにもその情報を伝播してくれます。
      
逆もありで、面白くないものは多分どんなに宣伝したり、お願いしたりしても情報伝播や認知は得られない非情な世界とも実感しています。

とにかく、世の中のニュースになるような取り組みを考え抜いて作り出し、多くの人に伝えることが必要となります。


ソーシャルメディアでのプロモーション


今までの新聞やテレビ、雑誌などの限られたマスメディアだけでなく、フェイスブックやツィッターなど個人個人のソーシャルメディアが発達し、人に伝える手段として大きなパワーとなっています。

ソーシャルメディアの場合は、友人知人や、注目している人が話題にしている事柄として、信用を持って多くの人に伝えることができます。そして広報やソーシャルメディアへのプロモーションは、莫大な予算がなくても、誰にでも、今すぐに実践できる事業や製品の広報活動です。

今自身の施設や製品のフェイスブックページは作っていますか?もしない場合、今すぐ作りましょう。そう今です。
  
オーガニックマーケティング・プロモーション
 
また最近自分は、オーガニックなマーケティングオーガニックなプロモーション、つまり「有機的」なマーケティングやプロモーションに注目しています。オーガニックとは、「有機」という意味です。農薬を使わずに作物を育てる際、栄養になるのは土中に住む有機物です。バクテリアから昆虫、動物などそれぞれ有機的に作用しあって一つの自然界をつくり共存しています。
  
多様な個人メディアが発達する中、ブログやツィッター、フェイスブック、SNSなど個人メディアによる情報の拡散は何か一つの大きなパワーが強く作用するのではなく様々な要素や人たちが有機的に反応しあって、有機的なプロモーション活動となっていく特徴があります。その仕組みづくりが今の市場には必要と考えています。

プロモーションはハーモニー

その他プロモーション方法として、「ホームページを作る」、「カタログを作る」、「ブログを始める」、「店頭用の販促ツールを作る」、「展示会に出展する」、「イベントを行う」、「SNSのコミュニティを作る」、「広告を出す」等の色々な仕掛けや作戦をタイミングよく繰り出していくことがあります。そしてそれぞれの結果を見ながら自らの事業にもっとも有効なアプローチを試行錯誤してコツコツと繰り返していきます。

そして大切なのはプロモーション施策の「ハーモニー」です。たとえ雑誌等でたくさん取り上げられ多くの人に興味を持ってもらっても、ホームページもなく、どこにも取扱店舗リストもなければ、買ってもらうことも出来ません。素晴らしいネットショップを作っていても、誰も知らなければアクセスさえしてもらえません。それぞれの施策がオーケストラのように、それぞれがうまく調和すればするほど、良い結果となります。

それぞれの制作物は素晴らしくても、勢いや風に乗れずブランドの立ち上げが芳しくない残念な結果にもなってしまいます。プロモーション施策の全体感やタイミングを考えながらバランスよく取り組んでいくことが事業の成功には大切です。微妙なプロモーションの呼吸のようなものが事業の成功を左右してしまうのです。

想いを伝えるためのPR

特に授産施設での製品は社会的意義の高い、また背景にストーリーのある取り組みが多いはずです。
なぜその事業を行っているのか?何のためにその製品を作り売っているのか?そのことをやるとどうなるのか?

そんな想いや背景を多くの人に伝えていかなくてはなりません。日々の作業風景、作業する人のメッセージ、得られた結果、、たくさんのことがあります。それらを、ブログで、フェイスブックのファンページで、ホームページで、、日々多くの人に伝えていくPR活動がとても重要になります。そして多くの人をファンにしていくことが大切です。


以上のことが相まって、新しい、面白いニュースはうわさになります。注目されるような製品・事業、そしてプロモーションを日々考えて地道に実行していくことが大切です。
  
自分自身の新しいブランドや事業を立ち上げ発表する際に常に「うわさになりたい!うわさになりたい!」と思いながら取り組んできました。爆風スランプのデビュー時の曲を頭にかけながら。
  
    
小難しい話が続きましたが、以上で基本的なマーケティングの話は終わりです。
   
今後は、それぞれの事業の取り組みなどの具体的な方法やポイント等をご紹介していきたいと思います。


つづく

2.個性を活かすマーケティング入門 ⑧チャネル(販路)は最終ターゲットに届ける手段

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

2.個性を活かすマーケティング入門


⑧チャネル(販路)は最終ターゲットに届ける手段

チャネル(販路)構築のポイント

いくら良い製品でも、ターゲットにした人が便利に買えるところで売っていないと買ってもらえません。

日本市場の販売チャネルとしては、小売店販売、通信販売、業務用販売など多様な流通経路がありますが、今回はメーカーとして小売店舗を通じて販売するという設定で、いくつかのポイントを挙げていきます。

メーカーサイドからしますと、チャネル(販路)はあくまで最終ターゲットに届ける手段であり、卸売業者や小売業者はお客さまでもありますが、厳密に言えば「販売パートナー」です。たまに、流通業者さんにものを納めたらそれで終わりと思う製造業の方もいらっしゃいますが、そうなるとお店で売れないと一回の出荷でビジネスは終わってしまいます。共に、ビジネスパートナーとして共通のお客様にお届けする方法を一緒に考えていく必要があります。

チャネル(販路)はどうやって探すの?

小売店チャネルの探し方は、小売店の売上げ順リストなどが掲載されている「日経MJ」などの書籍や、「競合他社製品のホームページの取り扱い店舗リスト」
等を活用します。

次に、小売店の間に卸機能が必要となる場合の卸売業パートナーの探し方ですが、自分で探さず小売店のバイヤーさんに、「どこの卸売業者さんがよいか?」と聞く方法もあります。 卸売業者さんに製品を扱ってくださいとお願いするよりも、卸売業者のお客さまである小売店バイヤーさんに話しを通して最もその小売店にとって良い卸売業者さんを紹介してもらう方が良スムーズに行く場合も多くあります。

また、お取引先様の小売店選択順位の留意点ですが、「店格の高い置いてもらうのに難しいお店、影響力のあるお店から順番に置いてもらう」ことが大切です。ターゲット店舗も順番もなく、無計画にどこのお店にでも売ってしまえというラフな取り組みでは、製品のありがたみは低く、寿命は短く、結局得られる利益は最小限になってしまいます。

有名店、注目のお店などで扱っていただくことは、「大きな信頼の獲得」、「高いブランドイメージ作り」、「店頭での露出による認知拡大」を生みます。特にファッション製品などの高付加価値製品にいえることですが、良い店から取り扱っていただくという順序により、「あの店に選ばれた」という信用が得られ、同じ製品でもメディア等で取り上げられ方が変わり、イメージも向上、宣伝にもなり注目され、結局扱ってもらえる店舗数は増える良いプロモーションにもなります。くれぐれも「逆はない」のでご注意することが大切です。
  
常に新しいチャネル(販路)の模索を

また現在は、SPA(製造小売業)の興隆もありますが、この先数十年を見据えた事業展開を考えていく場合は、授産施設であっても自分自身で作っていく独自の販売チャネル・直販チャネルに取り組んでいくことも大切と思います。高コストの販売販売方法は衰退していき、より小さな組織でも低コストで販売できるネット通販などの仕組みが広がりつつあります。

たとえば海外の自然化粧品などで日本に輸入販売されているものでは、日本の小売店への卸売販売では仕入れ値が低いため、海外の価格の倍などという販売価格で国内で売らざるを得ない場合があります。宣伝にもコストがかかります。しかしインターネットが普及する昨今、それに応じて海外現地では日本市場向けに現地の低価格の同一製品を並行輸入できるネット通販を行い、事情を知る消費者は現地の価格で個人輸入するという状態となっています。
   
そういった社会の変化に対応し、より消費者に支持される新しいチャネル(販路)を常に模索していくことも大切です。
 
つづく

2.個性を活かすマーケティング入門 ⑦ドンピシャ価格を狙う

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

2.個性を活かすマーケティング入門


⑦ドンピシャ価格を狙う

価格(定価)はいくらにしたらいいの? 

製品やサービスの価格を考える際に一番効率的なのは、同じようなターゲットに対する同等製品・サービスで成功している「競合製品・サービスの価格研究」です。

ものを買ったり消費したりする人は、大体他の似た製品と比較して購入します。成功している競合製品は、その絶妙なバランスの中で消費者に受け入れられる「ドンピシャ価格」を提示している成功例なのです。

まったく新しい価値を持つ製品・サービスには比較できる同じようなものはありませんが、それでも同じ役割をはたすものとの比較は出来ます。店頭や、インターネットにて競合品の価格を調査してみましょう。  

また、悪い例として製品企画開発の際に、売値やコストをまったく考慮せず、出来た時には競合品に比べてはるかに高く誰も買わないような製品になってしまう場合があります。

「製品企画開発は価格ありき」です。 当初から、ターゲットに合わせた、競合製品を意識したターゲット価格を設定しての製品企画開発への取り組みが重要です。 安いものが良いとは限りません、コンセプト作りのときに設定したターゲットがもっとも喜ぶ価格です。

建値と掛け率

もし製品を作ってそれを自分の店やバザーなどで独自で販売するのではなく、小売店などに卸して販売していただく場合は、建値と掛け率というものがあります。

建値とはメーカーなどが、卸売業や小売業の利益を設定して希望小売価格(定価)を決め、取引先への販売につき決めた価格です。掛け率とは、その定価に対して何%で卸売り販売する、という%のことを言います。たとえば定価を1,000円のものとして、メーカーから小売店には「7掛けで卸す」というと、メーカーから700円で小売店に卸売り販売をするということになります。

生産にもお金がかかりますが、小売販売にもお金がかかります。都心部のお店であれば店舗の賃料も高いですし、店舗スタッフの給料、その他のプロモーションなどのコスト負担は重くなります。小売店にとってはいかにメーカーから安く仕入れるかで自社の利益が上がります。

一方、メーカーからしてみれば原料や開発、生産のために多くのお金をかけて製品をつくりますが、消費者が購入する最終小売価格より安い価格で小売店に提供しなければなりません。小売店に対して販売のための費用を払って自社製品を売っているということになります。メーカーが自社で作って販売までできれば利益率も向上しますが、小売店は作ることよりも売ることを頑張っていますので、売るということではメーカーより一枚上手ということもあります。

しかし、最近ではメーカーや小売りがそれぞれ利益を取りながら流通させるモデルは高コストとなり定価の高い、価格競争力の低い製品になるということから、アパレルのユニクロのような自分で作って自分で小売するSPA(製造小売業)という企業が成長しています。メーカーもアップルのように自社の店舗を出して販売することで利益率を高め販売力をつける取り組みや、小売業もオリジナル製品をつくることで利益率と高めスピードのある商品展開に取り組む動きがあります。

当然1社ですべてをこなすのでリスクも高くなりますが、自分の製品だけを自社コントロールのもと売りたいメーカーや、他の店では売っていない独自性のある商品を高い利益率で売りたい小売店は取り組みを強化しています。この場合には建値も掛け率もありません。そして授産施設もこういうSPAモデルへの取り組みは可能です。
  
掛け率の相場

自分のところでは作ることが得意で、全国の消費者等に販売するのは小売業にお願いしたい、と考えるならば小売店が希望する掛け率で卸売り販売しなくてはいけません。

さてその相場です。それは需給の関係、パワーバランスにあり、どうしても欲しいものは高い掛け率でも小売店に仕入れてもらえます。一方、どこにでもある製品が安い掛け率勝負になります。今回は、一般の民間企業である小売業に対して、買い取りの場合の標準を参考にご紹介しようと思います。
   
雑貨製品の場合基準は5~6掛け(定価の50~60%)、製品力は強ければ6~7掛けまで行ける可能性もあるが、実店舗を持つチェーン店などは6掛け台以上では利益が出ないので難しい。ネットショップは販売コストが低いので、実店舗より高い掛け率でも交渉可能。多くの数を買う大手小売りチェーンなどは4掛け台というところもある。
  
食品の場合基準は6~7掛け(定価の60~70%)、薄利多売が食品の特性なので雑貨よりも若干掛け率は高い。以前はより高かったが最近が下がり傾向。製品によっては同じく7~8掛けまで行ける可能性もある。たくさん売る小売りチェーンなどは5掛け以下というところもある。
  
以上を目安に考えて、個別に交渉してみてください。社会的意義のある取り組みであれば、より高い価格で仕入れてくれる可能性もあります。利益を出すということは、この価格交渉にもかかっているのです。
   
価格の設定方法

以上のように、小売店で販売していくためには、定価より安く卸していく必要があります。それがどうしても困難な場合、掛け率を考慮すると定価が異様に高くなり売れそうもないものになってしまう、ドンピシャ価格(定価)が無理などの時は、SPAではないですが作ったものを自力で小売するモデルを模索する必要があります。

また有名小売店舗で販売していくことをプロモーションの一環として割り切って、自社での直販で利益を回収するという組み合わせ方式もあります。
     
価格は製品を販売するうえで、非常に重要な要素です。最終ターゲットに自分の製品を買っていただきやすい方法で届けるために、最適な販売方法とそれを実現するための価格設定を考えていかなくてはなりません。

目標とする利益率の目安

その製品や事業でどのくらい儲けるのか?ですが、目標利益の設定は様々です。以前行ったアロマキャンドルのプロジェクトでは、働くメンバーの今の月収の3万円アップが目標だったので、月の生産・販売量と生産コストから逆算し、目標とする工賃がえられる定価と卸売り先小売店が得られる利益を考慮したバランスで価格を決めました。この時の目標利益は、つまり月収3万円×人数分でした。
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一般企業の場合の目標利益の設定は、地代家賃や人件費などの固定費と材料費などの変動費から目標利益を考えたりします。しかし授産施設は、その生産活動による経費として地代家賃や職員の人件費は含まず、材料費のみとなったりするので、少し特殊な設定が必要です。とはいっても、ある程度の利益目標は必要と思います。その場合、一般企業での利益率を基準にすべきと思います。

粗利という言葉があります。これは、売上げから仕入れ費用を引いた利益です。そして粗利率とは、粗利額を売上額で割った%のことを言います。たとえば、500円で仕入れたものを1,000円で売ったら粗利は500円、粗利率は50%です。

目安としては、施設で材料を仕入れて製品をつくり販売する事業では、小売店への卸売り販売の場合は粗利率30~40%以上自ら消費者に直販する場合は粗利率50~60%以上、を目標にしてみましょう。

他の誰かが作った商品を仕入れてそのまま販売する場合は粗利率20%以上です。

本当にざっくりとした目安ですが、一般企業ではこれくらいの利益率で取り組んでいるところが多いです。うまくいっている会社は、さらにこれらの利益率は高くなっています。ビジネスをやるなら、以上のような利益を上げていく事業を目指してみてください。
    
そのために、ターゲットが喜ぶドンピシャの定価卸売販売の場合は取引先の利益や送料も考えた価格設定に、直販の場合は販促費、送料や売掛金回収などの諸経費のコストも考慮した利益設定を考えながら、製品を開発していくことが大切となるのです。


つづく

2.個性を活かすマーケティング入門 ⑥その製品・サービスに魂はあるか

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

2.個性を活かすマーケティング入門


⑥その製品・サービスに魂はあるか
   
商品をして語らしめよ

資生堂の社訓で、「商品をして語らしめよ」という言葉がある、とファッションジャーナリストである川島容子さんの著書「資生堂ブランド」で知りました。とても素晴らしいと思います。製品というアウトプットにするまでに多くの想いや苦労、ウンチクなどがあると思います。しかし、その製品を買うお客様が手に取るのはその商品です。その製品に想いやそのブランドにある背景などすべてが詰め込まれた状態にできることが、一つの成功と思います。

触れたらしびれるような

「魂のこもった製品」は、単なるモノではなくなります
。その製品を手にとったらしびれてしまうような感覚を持たせられれば素晴らしいことと思います。歴史に残る名品は、必ずその要素があると思います。芸術作品はそうですし、量産製品でも名だたる海外ブランドの製品であったり。自分は車が好きですが、乗っただけでしびれてしまう特別な車が存在します。

ターゲットであるお客様にとって、感動を与えるような背景、ストーリー、作り手の情熱を持った製品を目指していくことはとても大切です。

そのためにはどうしたら良いのか。それは「徹底的に全力をかけてものづくりを行っていく」、これが全てです。 チャッチャと効率を求めて、手間かけず安く簡単に済まそうとラフに作ったものは、人の心には届かず儚く終りを迎えてしまいます。粗い仕事は自分の人生も粗いものにしてしまいます。

自分の名前のブランドとして取り組む

たとえば作ろうとする製品やサービスなどのすべてのアウトプットを「自分の名前のブランド」と考えてみてください。「卒業制作」のように自分の名前で全責任を負うとなると、つまらないアウトプットは行いたくなく、取り組む姿勢がまったく変わるでしょう。

それは、小さなチラシやサンプルなどの販促物や日々のレポートなどにも言えることです。会社や組織の仕事でも、小さなことでも全て自分がやる以上は、自分のアウトプットそして生き様なのです。 

全力をかけて自問自答しながら納得のいく恥ずかしくない仕事をとことんすること、そして人生の一こまをベストを尽くして生きること、これが製品やサービス、全てのアウトプットに魂を宿らせる秘訣です。


つづく

2.個性を活かすマーケティング入門 ⑤自らの個性を最大化するマーケティングミックス

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
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2.個性を活かすマーケティング入門


⑤自らの個性を最大化するマーケティングミックス

ターゲット・ニーズ・独自能力を軸に事業領域・コンセプトをまとめたら、その後は具体的なアウトプットとして、ものごとを提供していきます。その提供方法を「マーケティングミックス」というまとめ方をします。

そのミックスは、4つのPで始まる文字で構成されます。「プロダクト・製品」、「プライス・価格」、「プレイス・流通チャネル」、「プロモーション」です。  

事業領域・コンセプトをまとめた、ターゲットの持つニーズそ解決するために、どのような製品・サービスを、どういった価格で、どのような流通チャネルを用いて、どのようなプロモーションを行って、独自の方法で「解決策」を提示していくかということです。

また大切なのは、4つのPはあくまで「手段」に過ぎないということを常に認識する事です。個別のやり方にこだわりすぎると事業の本質を見失うことにもなります。そしてここでも重要なのは、「思いやり」です。

その製品で、その価格で、その販売チャネルで、その伝え方が本当にターゲットの方に対し最適なのか、自問自答を繰り返しながら作り上げていくことが大切になります。


つづく

2.個性を活かすマーケティング入門 ④絶対に負けない戦略とコンセプト

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
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④絶対に負けない戦略とコンセプト

どんな事業、製品・サービスをつくっていったらいいの?

以上のSWOT分析を行い、前提を整理した後に、何をやるべきかを考えます。実際に自分たちがどのような事業を行っていくのかということです。そのために、事業領域やコンセプトをまとめていく必要があります。

事業領域、コンセプトの作り方

自社の強み、弱み、機会、脅威を整理しそれをもとに、「事業領域」をまとめます。事業領域とは「事業ドメイン」ともいい、自社の行うべき事業のことをいいます。また、この事業領域を製品やブランド開発等の場合、「製品コンセプト」・「ブランドコンセプト」として置き換えても良いです。

事業領域 ターゲット・ニーズ・独自能力

事業領域・コンセプトは、「ターゲット、ニーズ、独自能力」といった軸で組み立てます。 強みやチャンスを活かし弱みやピンチを補う、自分だけが出来る組み合わせを見つけ出し、「勝てる個性」を具体的に強調していきます。

人にそれぞれ個性があるように、世界に一つの強い個性を持った事業・製品に仕立て上げることが出来ます。 そして最終的に一文にまとめます。

「~をターゲットに、~のニーズに対して、~を~で提供する」
という感じです。

この事業領域・コンセプトのまとめがうまく出来ると、お客さまをはじめ社内外の関係者、その他多くの人に「なるほど」と納得してもらえ、話は早く進み期待されることになります。
  
大切なのは、その取り組もうとする事業領域や製品コンセプトは、様々な外部環境や内部環境をもとにしたSWOT分析により、自社が取り組むべき最良の案と、多くの人が「なるほど」と納得し「腹に落ちる話」になっているかということです。
   
ターゲットの設定は具体的に


ターゲットを設定する際のポイントは、より具体的にすること。ターゲットを一般消費者として考えてみた場合、例えば「地球上の生物」をターゲットとするのか、「日本に住む人」にするのか、「東京都に住む女性」にするのか、「東京都港区に住む30代の金融機関に勤める料理が趣味の独身女性」とでは、ターゲット数の大きさや具体性という話では大違いで、事業活動効率もまったく違ってきます

そして、「より具体的なターゲット像を作る」ことです。つまりどういう人か、年齢、性別、住所、職業、収入、好きなブランド、よく読む雑誌、よく行く店、趣味等とことん具体的なプロフィールをイメージすることです。そうすると、製品やサービスを売る場所、伝える場所等の決定等、その後の戦略が容易に具体的に立てられます。逆にはっきりしていないと、「どのお店で売るべきか分からない」、「どの媒体で宣伝すべきか分からない」、「だれのための製品か分からない」と全て空振りの状態になってしまいます。

さて、簡単に実践で使える消費者ターゲット設定上の参考データの一つに「雑誌の発行部数」があります。雑誌は同じ趣味や趣向の人が買うもので、購入者は共通の目的や価値観を持っている集団といえます。ターゲット像もはっきり出来ます。そのターゲットはどんな服を着ているのか、どんなことに興味を持っているのか、あるライフスタイルを提案する雑誌はそんな「具体的な人物像」を表現してくれています。

雑誌発行部数の把握は各雑誌の部数が記載されている「マスコミ手帳」などの書籍がありますので活用するとよいでしょう。発行部数は実売数とは違いますが、集団の大小を大まかに把握でき参考になります。女性誌の「アンアン」が好きな人は何人、それでは「キャンキャン」が好きな人は何人という感じです。どっちが多いのか、ターゲットにするのはどちらのターゲット像の集団が投資効率がよいか、などを把握できます。

「思いつき」、「思い込み」、ではなく「思いやり」で

ターゲットの持つ、ニーズの把握には「思いやり」が必要です。デザイナーの川崎和男さんのユニバーサルデザインに関する本の中に、「思いつき、思い込みではなく、思いやり」という言葉がありました。商品や事業のコンセプトを考える際に、とかく思いつきであったり、自分の思い込みであったりする場合があります。それではうまくいきません。

そうではなく、使う人のことをよく考えて、思いやりをもって商品やサービス、事業を考えていくべき、と言うことです。現場100回、使う人のことを、思いやりをもってとことん考えて、ニーズをあぶりだしていくことが重要となります。より具体的に、細部の細部までこだわって

コンサルティング会社時代の上司にそういったニーズの把握をとことん行っている戸辺さんという方がいました。ある小売チェーンのレジやPOSシステムの開発コンサルティングのプロジェクトで、店舗の人の動きを一日中観察していました。いろいろな人にインタビューやアンケートも行いましたが、最後は必ず自分の目で事実を確認し、どこに潜在的なニーズがあるのかを探していました。こういった使う人の気持ちに成代われるほどの「思いやり」が大切であると思います。

また、それぞれがこんなお店に置いてもらいたい、こんな雑誌の取り上げてもらいたい、こんなデザインが好き、こんなネーミングが好き、という意見も良いことです。しかしターゲットとするお客様のことを考えず、ただそれぞれの好みだけで進めてしまったら商品ではなくアート作品のようになってしまいます。

あくまでターゲットとなるお客様の立場に立って、思いやりをもって取り組んでいくことが必要です。  
   
他に絶対真似できないか

「独自能力」とは、設定したターゲットやその抱えるニーズに対して、自らにしか解決できない方法での価値の提供となります。同じようなことが、他でも出来てしまえば、価格競争や熾烈な販売・宣伝競争などの消耗戦に巻き込まれてしまいます。せっかくいいアイデアのものが出来ても、すぐ同じ様なものが他でも出来るようであれば、すぐ生産コストの安いところに仕事を奪われてしまいます。

絶対に他に真似できないかということは、突き詰めれば「個性の追求」といえます。新規参入が多く、差別化の難しいファッションや化粧品のブランドで、個人名や地名が多いのは、やはり個性を出すという点で、個人名や地名が最も真似されないものといえるからではないでしょうか。シャネル、エスティーローダー、ロクシタンなどなど。
そういった意味で、一人の人間と同じような個性を持つ商品やサービス、事業を考えていく必要があります。

自分にしかできないこと、その場所でしか出来ないこと、それは何かを自問自答していくことが大切となります。人の個性もそうですが、それぞれに大きな違いはありません。同じ人間ですが、もって生まれた性格が違い、人種が違い、生まれた場所が違い、話す言葉が違い、育った環境が違い、過ごした場所が違い、見た・聞いた・話したことが違い、という少しずつの違いが人の個性を形成します。少しずつの事象を編集して、自分にしか出来ないことを明らかにしていく。そのような「己を知る」というアプローチが必要となります。

それができてこそ、ユニークかつ競争力のある世界にオンリーワンの製品・サービスになりうるのです。

セルザチャレンジでお手伝いした事例として、障がい者の手による製品ではないですが、社会保障もない発展途上にある最貧国バングラデシュとネパールの社会的に弱い立場にある人たちによるブランドがあります。
  
これは様々な理由から貧困状態となりやむなく売春婦等にならざるを得なかった母親たちが、子供と共に生きていくための仕事づくりとしての石けんブランドです。そういった彼女たちを支援するブランドをストレートに表現する、「She(彼女)」というブランド名にしました。

どこでも家庭でも作れる石けんという商材ですが、その地域でしか採れない原料、地名によるネーミング、メッセージ、デザインなど絶対に他では真似できないような独自性の高い製品に仕立てています。個性を追求すれば、普遍的な表現方法であってもユニークな世界にひとつのアウトプットができるのです。
   She_packages

フルオリジナルなんてない

独自性を追求する上で、新規事業や新製品・サービスもそうですが、今までに世の中に存在しなかったまったく「ゼロからの新発明」などはあまりありません。多くは今まであったものの「改良品」になります。またはそれぞれにあったものの組み合わせなどです。

あのビートルズもアフリカ系の人の音楽のリズム&ブルースやロック&ロールのコピーから始まりました。逆にビートルズに影響されたミュージシャンや曲もたくさんあります。すべてがフルオリジナルな音楽は少ないと思います。 このコラムも、様々な先人のオリジナルを自分の中で「再編集」してアウトプットしているのです。今まで人から教えていただいたことや読んできた本、体験したことがベースになっています。それを自分なりに編集してお伝えしているのです。

あまりゼロから新しいものや企画を作り出そうと思うとプレッシャーでなかなかアイデアが出ないものです。もう最初からまったく新しいものはないと割り切ってしまっても良いと思います。 特に日本人は、昔から外国からきたものの改善や改良が得意。今あるもので今までに足りなかったことを埋めるような事業や製品・サービスを考えていくことがうまくいく秘訣といえるかもしれませんね。
   
弱みを強みに転じる

実際に社会的弱者が関与する事業は、弱みが多いことが現実です。何から何まで無い無いづくしです。しかし、挑戦していかなければなりません。そのためには発想の転換です。

一般的に弱みと思われるところを強みに変えてしまう
のです。「開き直り戦略」ともいえるでしょうか。

何もないならないことを売りにする事業を模索する、売り先の小売店がないなら自分で販路をつくる、田舎で周りに人が少ないならばネット販売で他地域に売る、特産品がないなら初の特産品を発明する、働くことが困難な人がいるならばその人に合った仕事を開発する、、、様々なアイデアを生み出せばよいのです。

自分自身も3年ぐらい前にビジネス環境の激変から、一文無しに近い状態になりました。当然無いもの尽くしです。しかし家族を養い生きていくためには、売れるものを何でも売って仕事をしていかなければなりません。弱みや逆境を強みやチャンスに転じて必死でやらなければならないのです。
   
生きていく、生き残るためには、弱みをしっかりと冷静に把握したうえで、逆に強みに転じていくことが大切になります。そしてやればきっとできます。


つづく

2.個性を活かすマーケティング入門 ③彼を知り己を知れば百戦危うからず

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

2.個性を活かすマーケティング入門


③彼を知り己を知れば百戦危うからず

それでは、まず第一に現状を把握するというプロセスからはじめましょう。
孫子の兵法に「彼を知り己を知れば百戦危うからず」という格言がありますが、これは戦やビジネスの真髄です。自分とは何なのか、自身を取り巻く環境とはどうなのかを徹底的に知れば、どんな戦いでも負けることはないというのです。

まず自分自身の内部環境の分析、自分を取り巻く外部環境の分析をとことん行うことが大切です。内部環境とは、「人材」、「組織」、「パートナー」、「資金」、「技術」など。外部環境とは、「市場」や「競合」、「経済」、「政治」、「法律」、「自然環境」などです。何か難しい感じですが、とにかく回りを見て、自分を見ろということです。
  
これをとことん事実に基づき具体的に調べていきます。その方法は、書籍、マーケティングデータ、インターネットなどから、また実際のビジネスの現場です。よく「現場100回」という言葉がありますが、ビジネスの答えは現場にあります。とにかく現場を見ることが最も重要、机の上では何も本当のことは分かりません売場、生産現場、使う場所などの現場を100回以上見て、事実を把握していくことが大切です。

そして、それを「SWOT分析」という手法でまとめていきます。非常に古典的なアプローチですがとても整理しやすいのが特徴。内部環境として「S(ストロングネス・強み)」、「W(ウィークネス・弱み)」、外部環境として「O(オポチュニティ・機会)」、「T(スリート・脅威)」を、一つの紙にまとめていきます。

そして、自社の強みや弱み、チャンスやピンチを明確にしていくのです。 「自らの強いところは?」「弱いところは?」「どんなチャンスがあるか?」「ピンチになりそうなことは?」、些細なことでも何でもあげていきます。ほんの少しのことの組み合わせが、自らにしかない個性を形成していくのです。そして、ちょっとしたチャンスを活かして、さらにピンチをチャンスに変えられるような前提条件を整理していきます。


つづく

2.個性を活かすマーケティング入門 ②作る・売る・伝える、すべてはつながっている

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

2.個性を活かすマーケティング入門


②作る・売る・伝える、すべてはつながっている

よく福祉の現場や企業でも以下のようなことを聞く機会があります。

「販路さえあればうまくいくのに」

「製品は開発して出来上がっているがどこにどう営業したら良いのか分からない」

「この商品誰が買ってくれるのか?」

   
よくあることですが、それぞれのマーケティング活動がバラバラになっているために起きてしまう問題です。聞き返したい質問は「それではこの製品を誰のために作っているのですか?」ということです。 誰のためでもないものは、きっと誰も要らないものでしょう。
   
すべてのマーケティング活動は前出の図のようにつながっているのです。「誰のためにどのような製品・サービスを、どのような方法で提供するのか?」それを詳細まで考えて、実行する。

それがうまく機能しないと、一部の営業を強くする、広告を強くする、製品を開発するといった個別機能の増強では全体のビジネス活動はうまくいきません。

また、事業がうまくいかないときも前述のマーケティングの図を見て原因を考えます。全体戦略や取り組みの中で何が足りないのか、どうしたらうまくいくのかの対策を練るのです。くれぐれもシンプルな図で示したように、全てのマーケティング活動は「有機的につながっている」ことを肝に銘じてください。

マーケティングに関連する仕事をしている自分自身の事業会社でのキャリアもこのチャートに中に当てはまります。キャリアのスタートは、「プロモーション戦略」の一機能である「人的販売」、つまり営業の仕事です。その後商品の仕入れ担当者となり、「プロダクト・製品戦略」や「プライス・価格戦略」に携わり、その後ブランドの立ち上げで、販促や広告も含めた「プロモーション戦略」全体、また「チャネル・流通戦略」に取り組んだ経験をしました。多分多くの方がこのマーケティングのフレームワークの中の特定部分を中心に担当していると思います。
    
すべては、目標を決めて、大局的なビジネス全体を見据えた上で各戦術を実行することに成功の確率が高まります。 そしてみなさまの日々行う「営業」や、「調査」、「広報・広告」、「商品企画」、「お客様対応」などはマーケティング活動の一部であり、バラバラに行われるべきではなく大きなマーケティング戦略に基づいて繰り出されるべき一手、そして各自が行うべき活動は全体戦略に合った活動であるべきなのです。それらの戦略を関係者全員で共有して行くことも大切です。

よって何の計画もなく出来るものをつくった後に、売先があれば売れるのに、どんな人が買うかわからない、といったことは本末転倒な話です。

そうなると、「販路さえあれば売れるのに」、「どんな販路が良いのか?」、「どんな雑誌に載せればいいのか?」、「価格はいくらにしたらいいか?」、「どんなデザインがいいのか?」「製品コピーのフォントの大きさはどうしよう?」などということが、後から出てくることはありません。
すべては「ターゲットとするお客様が喜ぶことを選ぶ」という答えです。
            
誰のために作って、伝えて、買いやすいように提供するという戦略を立て、個々の事が全体としてつながってこそビジネスはうまくいくのです。


つづく

記事一覧(こちらのページの下に、記事の一覧があります。そちらから続きをご覧ください)
http://trife.cocolog-nifty.com/blog/cat50620524/index.html

2.個性を活かすマーケティング入門 ①超シンプルなマーケティング戦略策定のフレームワーク

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

2.個性を活かすマーケティング入門  

さてこれからは、授産施設の製品の販売において、また一般的なビジネスや個人の生き方にも参考になる、実践的なマーケティングの基礎知識について、シンプルにご紹介していこうと思います。  


①超シンプルなマーケティング戦略策定のフレームワーク

個性こそすべて

各地の授産施設がビジネスに取り組む場合、「個性」が重要になります。これは、一般の企業や店舗、個人として仕事をしていく、生きていくことにも共通する、とても大切なことです。  

自分自身、今までのビジネスや自分の歩んできた道も「個性を活かしたマーケティング」を常に意識してきました。
そして今、日々取り組んでいるのは、

・「独自事業として、福祉とビジネスを融合させる革新的な事業を立ち上げること」

・「ソーシャルブランドプロデューサーとして、世界の競合ブランドの中で、社会的意義を持った競争力と社会的意義のある社会ブランドを作り上げていくこと」

・「経営コンサルタントとして、クライアント企業の経営やマーケティングについて戦略を考え実行しビジネスをうまくいかせること」

・「セルザチャレンジとして、各地域における障がいのある方が作るものを、差別化と競争優位性を持って一般市場に展開し、生産者の収入をあげていくこと」

それぞれの命題の中で日々否応無く必要とされるのは、何かを考え生み出して伝えて売っていくという実践的なマーケティングスキルです。

そんな日々のなかたどり着いたのは、無理をせずに、競争に巻き込まれにくく、ビジネスを永続させていけるのは、結局それぞれが自分たちの「個性を活かした事業活動を行っていく」ということでした。   

今までの経験により得た、個性を活かすマーケティングに関する戦略立案から実際のビジネスでの実践というプロセスは、商品・サービスやブランドを作り売っていくというビジネスには当然役立ちますし、人の生き方や夢の実現にもとても役立つスキル。 シンプルで具体的なマーケティングの基礎の基礎です。

ぜひキャリアプランなどを模索中の人は、ご自身のお仕事や自身のことなどに置き換えて考えてみてもらえるとよろしいかと思います。 あと、マーケティングの基本をすでに学習されている方には、教科書的なお話は釈迦に説法ですので、飛ばして下さい。総合的な勉強が必要な方は、他の教科書で改めてしっかりと学んでくださいね。   

ヨコモジの知識がマーケティングではない

さてマーケティングというと皆さんはどのようなことを思われるでしょうか。 「特別なビジネスの理論」、「何かの調査方法」、「何かの宣伝や販促について」・・・など様々なこたえが想像ができます。

しかしマーケティングとはいたってシンプルに「売れる仕組みづくり」という意味とします。 「売る」仕組みではなく、「売れる」というのがポイントです。売るのではなく売れる仕組みを作るのです。

実際にアメリカから輸入されるマーケティングという概念の中には、たくさんの横文字言葉があります。いってみれば業界用語ですが、マーケティングの本質はその横文字言葉の多用や暗記ではありません。様々なビジネス要素を組み合わせて、売れる仕組みをいかに作るかということです。

自分も若いコンサルタント時代は、業界人としてマーケティングの定義や最新用語などについて同僚などとウンチク合戦を繰り広げたこともありましたが、実際のビジネスにはあまり細かいことは重要ではないことを後に気づきました。ただマーケティングにはそれぞれの考え方や流儀みたいなものがあります。ここで紹介するのは、一つの個人の考え方としてご理解いただければと思います。

型無しか形破りか

一方で、「マーケティング知識など、そのような机上の空論は実際のビジネスでは必要ない」と言う意見の方もいらっしゃいます。 しかし、ビジネスや商売の天才ではない大多数の人には、そのような体系化された方法や地図のようなものがあると、失敗やリスクを低減することができます。

剣の道と同じですが、基本を学び形を得た人が、そのベースの上で「型破り」なことをすると非常にインパクトのある一手がでますが、ベースも無く目茶苦茶なことをしても「形無し」となってしまい、凡人ではなかなか成功にはたどり着けないのが現実。
できれば、できる限り最低限のビジネスやマーケティングの基本を学んでおくことに損はありません。

超シンプルなマーケティング戦略策定のフレームワーク

自分自身がマーケティング戦略を策定する時に用いているのが、経営の勉強で学んだとてもシンプルなチャートです。 売れる仕組みづくりのアプローチには様々な方法や理論がありますが、中小規模の企業や団体で少ない投資で一定の結果を出すには、古典的でシンプルな以下のフレームワークで充分と考えます。

それは、

①外部環境を調べる(市場トレンドや消費者や競合を知る)、

②内部環境を調べる(自分の得意なことや出来ないことを知る)、

③SWOT分析(強み・弱み・機会・脅威を把握する)、

④事業領域・コンセプトの策定(だれをターゲットに、どのようなニーズに対して、自分しか出来ないどのような独自能力で何を提供するのかを決める)、

⑤マーケティングミックス・4Pの策定(具体的にどのような「製品」・「価格」・「チャネル」・「プロモーション」で行うか決める)、の仮説と検証を繰り返し行うプロセスとなります。
   Mkt10001
特にこのフレームワークは、製品・サービスをつくる場合に当てはまりやすいですが、小売業や卸売業であってもマーケティングミックスの要素を変えて考えてみてください。

新しく事業を行う際に大切なのは、まず最初にこの全体の戦略や計画を細部にわたって具体的に立ててから進めることです。計画なき進行は場当たり的でうまくいかないパターンに陥ってしまいます。 その時に得られる限りの情報から考えられるだけの戦略を具体的に考え、その戦略に基づいて実行してみる。出た結果をフィードバックしてさらに改善していく。それを毎日毎日何度でも繰り返してみる。「仮説と検証」を何度も何度も繰り返すのです。

これが売れる仕組みづくりのシンプルで基本的なフレームワークです。

この図をノートに張るなどしていつも意識してみてください。


つづく

記事一覧(こちらのページの下に、記事の一覧があります。そちらから続きをご覧ください)
http://trife.cocolog-nifty.com/blog/cat50620524/index.html

2012年8月12日 (日)

1.障がい者が社会とつながる仕事 ④職場は「生きる場」

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

1.障がい者が社会とつながる仕事


④職場は「生きる場」

地域で仕事が生まれ、生活していける未来

様々な難題や課題を抱える授産施設の製品やサービスについて、現状をほんの一部だけご紹介しました。これらは本当に一部で、各現場により様々な問題が存在しています。簡単にはいかないことが多いために、現状があることをご理解ください。
  
様々な難題があります。しかし、地域で「生きる場」をつくっていく必要があります。理想的なのはそれぞれの障がい者の住む各地域において、家から通える距離に、それぞれの人にあった仕事が存在し、もしくは家でも仕事が出来るような何らかの仕事が生まれ、その生活圏の中で自立生活していけることです。

やはり、心身に障害のある方が地元の学校を出た後、バスや電車を乗り継いで遠くの職場に通うのは難しいこと。通える範囲に仕事が出来ていけば素晴らしいことと思います。
   
地域に企業があり、そちらで障害者を雇用してくれるのも非常によいことですし、そちらでは働きにくい人は授産施設で仕事があり、どちらでもやりがいのある仕事と、自立生活していける賃金が得られることが理想です。
   
その「生きる場所」づくり、特に授産施設に必要な事業・仕事を模索していくために大切なことは、外部環境上の脅威や内部環境上の弱みはありますが、それらもひっくるめて個性・強みとなるような事業を行っていくアプローチです。

障がい者が活きる働く場

自分自身は福祉の現場のプロフェッショナルではないので、どのようにそれぞれ個性を持った障がい者が日々の個別作業をしていくかということは先人に学んでいこうと思いますが、様々に工夫された働く場を見る機会があります。

たとえば、誰でもできるように部品組み立てのための器具を専従技術者の方が開発し仕事ができる仕組みを作っている事業所、どのような作業をどのような順番で行うべきか絵や写真で細かく指示がプログラムされている事業所、障がいをもつメンバーが席に一列に座り作業をこなし職員が立ってその作業をサポートする事業所、それぞれの方の得意なことにより工程を分けて皆で分担して作る仕組みを作った事業所、などなど。

それぞれの持つ個性が最大限に活きるように、職員の方が試行錯誤しながら、各人の能力を伸ばしている現場があります。そこで働く人たちはとても生き生きと、自信をもって仕事に取り組んでいる姿を見ることができます。
   
成功のための方向性

授産施設の現場で重要なのは、それぞれの人ができること、得意なことを見つけて、その「個性に合わせた仕事」を作り出していくことです。通常のビジネスでも個性を活かしたマーケティングは重要ですが、福祉の現場ではさらにそのことが大切となってきます。
   
一般的にビジネスとして成功しそうといっても、自分たちでもできる身の丈にあった、それぞれの個性が生きることを行わないと実際は実現不可能なこともあり、無理が出てきてしまいます。どこかの施設の成功事例といっても全国の施設で同じような取り組みを行ってうまくいった例は少ないのが現状です。

企業の社会活動としての、一時的な授産製品の仕入れや軽作業の発注などもありますが、単なる企業の社会貢献アピールに止まらず、本来の社会貢献を考えるならば、できれば継続的な仕事となるようにしていかなくてはなりません。

小さく始めても事業が永く続くために、そのメンバーにしかできないこと、その地域でしかできないこと、簡単に他では真似されない「世界に一つの強い事業」としていくことが重要となります。そのためには、福祉の現場でマーケティング・ビジネスマインドを持ち、個別の問題を解決していくことが大切となります。


まずは「作って・売る事業」
   
経営的な視点でいえば、自分としては多くの授産施設の成功の方向性としては、「製造加工業」・「卸売・小売業」・「飲食店」の組み合わせが取り組みやすいと考えています。
    
一つの参考として授産施設による知的障がい者の従事職業のデータを見てみますと(精神障がい者のデータはなし)、製造加工業が最も多く15.7%、卸売・小売業で3.3%、飲食店で1.4%となっています。これらの事業は「作って」「売る」という親和性の高い事業です。この3つの事業の合計で20.4%と最も多くなります。個別の地域によりますが、これが取り組みやすい仕事なのではないかと仮説を立てています。
  
平成23年度版障害者白書  知的障がい者の職業別従事状況    
http://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h23hakusho/zenbun/pdf/h1/2_06.pdf
      
施設によっては立地や働くメンバーの能力から農・林・漁業が適している、また国内製造業の衰退とともに増加傾向にある清掃、クリーニングなどのサービス業もよいと思います。
    
もし新しい事業を行う場合はじめは、一般就労(特例子会社も含む)や福祉工場での事業ではなく、より多くの地域の授産施設とそこで働く人にとっては、何かを「作って・売る事業」が取り組みやすいと感じています。
      
製品にもよりますが大きな設備投資が不要なこと、サービス業と違い体調や気分などで就労日数が不安定になっても製品在庫ができる製造・加工業であれば急なお休みに対してもリスクは少ない、物販業となるとネット販売も含めると商圏は広がり市場が大きく拡張性がある、製品の価格や利益率が作るものによって高く出来る、地域企業の下請け業務も安定性がありそうですが先方の都合で仕事がなくなる可能性がある、多くの消費者をターゲットにすることでリスクが分散できる、協力者が得られやすい、一方で清掃やクリーニングの作業が出来る人は企業やその特例子会社、福祉工場に就労できる可能性が高く授産施設に留まらない可能性もある、、などが考えられます。    
  
ただ、ものづくりということでは国際競争が激化しているので、海外製品では絶対できないような製品づくりを行っていく必要があります。

そして今までにない革新的なビジネスモデルも同時に考え、製品やサービスの販売だけでなく、取り組み自体が新しい価値を生むような事業にしていくことも重要です。
   
やるからには成果を

授産施設でも、困難はあっても、働いていく、そして出来れば経済的にも自立生活への道を歩む。仕事ごっこではつまらない。本当に取り組んでみると決めた以上は、結果を出して行きたいものです。
 
厳しい環境の中で一般企業と伍してのビジネスを展開し利益を出していくこと、小さい売上げからでも着実に利益を得ていくこと。それが一つの仕事を通して「生きること」、「自立への一歩」、「垣根のない世界」といえると思います。出来ないことは多いですが、しかし出来ることも多くあります。 
  
大きな海に漕ぎ出すとき、権利や義務と同じく、提供する製品やサービスも平等となります。障がいを持ちながら仕事を行うことは、それぞれの人によってはとても難しい挑戦です。しかし、それぞれの身の丈でベストを尽くしていけば、出来ないことは決してないと思います。
    
福祉の現場の職員にも求められるビジネス・マーケティングスキル

今まで述べたように、授産施設の生産現場においても収益活動がもとめられています。そういった意味で、福祉の現場で働く、福祉の専門家もある程度のマーケティングに関する知識、ビジネススキルを身につけておくことが大切です。
  
ある障がいを持つ人が、自身で働きたい意志を持ち、何らかの形で仕事をすることが可能で、実際に仕事をしたいと望む場合、本人はその挑戦に対して自覚を持ち立ち向かっていく必要があり、そして誰かがそれを支え、仕事をして収入を得ていくためのサポートをしていく必要があります。

そしてその挑戦を日々、近くでサポートしていく人が必要となってくるのです。授産施設とその職員は、取り組みに対してより効果的に結果が出るように導いていく力が求められます。授産施設で働く職員は、ある意味ビジネスのプロフェッショナルにならなくてはいけないのです。

実際に施設として、製品を企画する、デザインなどを行う、売り方を考える、材料を仕入れる、作り方を考える、作るサポートをする、宣伝する、実際に売る、または下請け作業を発注してくれる外部企業と折衝する・・などのビジネスを行う人は施設で働く職員となるのです。
   

しかし当然、自分自身がすべてのことは出来ません。他者の力を借りる場合は、ビジネスの仕事をしている人と、それぞれの得意なことを活かして結びつき、パートナーとなって製品やサービスを生み出し、収益を得ていくという取り組みも必要になります。
そのためにお互いが話が通じ合えるような「基本的なビジネス知識」の習得も大切です。

それぞれ、自分の得意なところに軸足を置きながら、共に一つの目標である収益事業を立ち上げていくための共有言語のようなものを身につけていく必要があります。

一般企業への就業経験がなく、現在そのような知識がないことに気後れすることはありません。自分自身も法学部を経て一般企業に就職し、営業職などを行っていましたが、経営やマーケティングの知識など皆無に近い状態でした。日々営利活動に従事していても、意外とそういった知識に接することは少ないのです。そのために多くの大手企業で働くビジネスパーソンが仕事をしながら経営修士(MBA)の学校に通ったりしているのです。
   
日々の仕事とは別の機会をつくって、勉強をし自分の仕事にあてはめながら学んでいく。机上の空論だけではなく、仕事で実践してみて身に着けていく。福祉の現場で日々仕事をしながら、これから徐々に学んでいけばよいのです。

今後、そういった福祉の現場で必要となるマーケティングの基礎知識を、通常ビジネスを行ってない人にも分かるように、わかりやすくご紹介していきたいと思います。


つづく
2.個性を活かすマーケティング入門 ①超シンプルなマーケティング戦略策定のフレームワーク

1.障がい者が社会とつながる仕事 ③授産施設は何を目標にするべきか

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

1.障がい者が社会とつながる仕事  


③授産施設(特に就労継続B型)は何を目標にするべきか

一般企業の製品・サービスに競争で勝てるのか

2009年のリーマンショックで世界中の多くの場所で景気は低迷し、2011年の東日本大震災で日本経済はさらに大きな打撃を受けました。円高やデフレといった様々な要因で、非常に厳しいビジネス環境となっています。

消費は冷え込み、消費者は本当に必要なもの、価値を感じるものにしかお金を払わない時代になってきています。そして日々生き残るために必死で事業活動している一般企業も来年、数年後存続しているのかわからない時代です。また、障がいをもつことなく、高等教育を受けた若者さえも就職が難しい、また働き盛りの人さえもリストラにあうといった、今の日本の環境があります。  

その厳しい環境、低迷する地域経済で、海外からの安価で良質な製品があふれ、一般企業が生き残るために凌ぎを削るこの今、本当に国内外の一般企業の製品・サービスに勝てるのか?継続的に外部企業(作業等の発注者)や一般消費者に選ばれていく製品・サービスを提供し続けていけるのか?普通のやり方でそのことは実現できるのか?、難しい問題です。
 
その難題に取り組むべきなのか
 
授産施設において「障がい者による製品・サービスをつくって仕事とし、工賃をアップする」、「工賃アップ計画」という取り組みは、
果たして現実的なのか?、何とも牧歌的なスローガンではないのか?、工賃倍増したらどうなるのか?、そもそもそんなことをしなくてもよいのではないか?
         
一方企業は、社会的責任として国が支えられなくなった障がい者の雇用や生活を、法定雇用という責任を負い実施していくことになります。働く意思を持つ障がい者が、一般企業に就職し働く場を与えられ、収入を得ていく動きが出てきています。
  
まだ受け入れ側の企業も受け入れ態勢について、共に働くことについて試行錯誤が必要と思います。しかし、経済の中に弱者が組み込まれることで、より地域などで支えあっていた昔に近い状態になるかもしれません。
     
しかしその中で、一般就労に向かない人たちもいます。職種や職場の人間関係、受け入れ企業側の対応などの相性もあります。その人たちが仕事の場がいくつも合わず、福祉サービス業を提供する施設に通うこととなった時、「収入のアップを目指して」仕事をしてしていくべきなのかどうか?、外部企業や一般市場と関わる仕事に関しそこに競争原理は働くのか?、とても悩ましいことと思います。しかもそれぞれの人は、それぞれ個性があり異なります。すべてをまとめることもできません。

その難題に取り組むべきか、何を目標にしていけばよいのか、非常に難しいことと思います。
  
授産施設が目標にすべきもの
  
経営者によって「会社とは何か」という定義が違うように、施設も代表者によって目標にすべきものがそれぞれ異なると思います。
   
自分自身は、地域の授産施設が目標にすべきもの、それは「生きる場」づくりと考えています。
    
その地に生まれ、そこで生きていくこと、そのための場が障がい者父母の会などで作られ始めた授産施設の成り立ちです。養護学校を出た後、働く場のない子供たちのために皆で作った作業所が多いと思います。

そこでの目的は地域の中で、仕事をしたり、人に認められたり、人生を楽しみながら生きていくこと。

生まれてきたそれぞれの人が、その人生に挑戦することが「生きる」ことであると思います。そして、働く意思を持って通ってくる人に対して、授産施設はその人の「生きる」ことを最大限にサポートしてあげることが大切と思います。

難しさはあるが挑戦する、何か仕事をして日々を過ごす、仕事を通じて社会とつながる、やりがいを得て人にも認められる、努力したことで人に喜ばれ感謝される、そして収入も得られる。
 
仕事を通して得られる工賃は、一つの努力の指標です。そしてそれは多ければ多いほど良いことです。グループホームなどで生活していくために各人の月の障害年金額にいくら工賃をプラスしたら自立生活できるのかという額が目標でもよいです。しかし追求していくのは、収入アップだけではありません。お金だけではないのです。
     
前述しましたが日本には社会保障制度があり、障がい者年金と生活保護などを合わせれば働かなくても食べていけるかもしれません。しかし働ける能力を持つ人が、ただ何もしないで食べていければそれで幸せでしょうか?(食料のない国もありますが、この日本で)、それで張り合いを持って「生きている」といえるとでしょうか?
  
人にとって、何かをして人に喜ばれる、仕事をして社会に認められる、仕事を通して社会とつながる、ということは人にとってとても大切なことです。
  
働く中で成長し、多くの人を納得させる製品やサービスが提供できた時、それが社会に認められ、生きがいを得られ、生きる喜びを感じる時
となると思います。
    
それは本人だけの喜びではなく、本人を支える家族、そして施設などの職員の共通の喜びでもあります。
  
授産施設は、地域の中で、働く意思がある障がいを持つ人が日々過ごすまさに「生きる場」なのです。

これは一般企業も同じです。職場とは働く人が共に「生きる場」といえるのです。
   
つづく ④へ

1.障がい者が社会とつながる仕事 ②授産製品が売れない理由

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

1.障がい者が社会とつながる仕事 


②授産製品が売れない理由
 
福祉のプロフェッショナルによるビジネスの限界


ちょっと手厳しいことを書いてしまいますが、お許しください。
一部の成功事例を除けば多くの場合、授産製品は売れていません。よって生産や販売で得られる障がい者の工賃は非常に安いという現状があります。その理由の一つとして、製品そのものの「市場競争力のなさ」にあります。

製品コンセプト、製品そのもの、価格、デザイン、販路、認知度・・・

授産施設を運営する社会福祉法人等の職員の方の多くは、実際のビジネスを経験してきた人というよりは、福祉の勉強をされてきた「福祉の専門家・福祉のプロフェッショナル」です。
自分自身が授産製品のマーケティング講座などでお会いして交流してきた職員の方々は、非常に優秀な方たちばかりで驚きます。こういってはなんですが、一般企業の社員の方よりもビジネスを本気で行ったら成功しそうな方もいます。しかし、今は生産活動を行って、収益事業を育てていく専門家ではありません。
   
一方で、ビジネスの最前線にいる企画や販売、プロモーションのプロフェッショナルが福祉業界で働くことは、そもそも仕事は少なく、多くないのが現状です。製品やサービスを開発して展開していくためのマーケッター、デザイナー、コピーライター、営業、PR担当なども含めた専門家は現場にいません。福祉の現場にビジネスのプロフェッショナルが「不在」なのです。
   
一般企業で働くことの難しい障害を持った方々の個性を活かしたビジネス構築は、一般ビジネスのプロフェッショナルにとっても難しい課題です。そういった難問に、福祉の現場の職員や保護者が取り組まなければならないという現状があります。

よって、職員やサポートする家族による企画開発や販売については限界があり、他にはない個性と付加価値、市場競争力をもつ製品がなかなか出来にくいということがあります。売れていない製品の多くは、「没個性」のどこにでもあるような製品になってしまっていることがあります。

独自展開と職員のモチベーション

また一部の施設に見られる現象ですが、他に力を借りず「わが道を行く」という姿勢もあります。リズムの違いや価値観の違いもありますが、ビジネスのプロである外部の会社や組織と組んでの展開を行わず、あくまで自力での製品企画や販売を貫く施設もあるわけです。
   
福祉の仕事を選んだ人の中で、「商業やビジネスを志向しないから」という理由の方の場合は、なかなかビジネス界とのつながりを持ちたがらないこともあります。しかし、自力のみで事業展開を推し進めようとすると、うまくいく確率は下がってしまいます。
  
また稀にですが、職員の方の授産製品事業に対する「モチベーション維持の問題」もあります。職員の方のお給料は、授産製品の収益に連動することは少なく、行政からの業務委託費や助成金などから出る公費として一定の金額となります。
   
よって、授産製品のビジネスが成功したらメンバー(障がい者・施設利用者)への工賃が増えますが職員自身のお給料は変わらない場合が多く、一般企業の社員のようなインセンティブはありません。

また多くの職員の方、施設を立ち上げ運営している親の方々はお給料などに関係なく高い志を持って取り組んでいますが、逆に事業に問題を起こしてしまったり失敗してしまったら組織内外での非難等もあり、なかなかモチベーションが維持できないという例もあります。
   
そして授産施設に通ってくる障がい者は、福祉サービス業者である施設にとってはある意味お客様です。メンバーが通うことで、その日数に応じてその事業所を運営し、職員の給与をまかなう売上が得られるのです。一般企業の同僚のように純粋に一緒に働く仲間ではないのです。

就労継続B型施設の中では、授産施設であっても工賃アップなどを目指さず仕事など困難を強いなくて楽しく過ごすことを目的にしている施設もありますし、仕事などで事故などを起こすよりは仕事はしないほうが良いという判断をする場合もあります。
   
こういった面が、組織全体で営利を追求する一般企業とは異なります。

しかし、今まで自分がお会いしてきた福祉施設で働く、障がい者の仕事づくりに携わっている職員の方々は、非常に志高く、情熱を持った人たちばかりです。

そういった方々が実力を発揮しやすい環境の中で必要な力をつけ、のびのびと働けるようになればと思います。
    
コストの高さ
  
また、授産製品の多くはコスト競争力がありません。調達する材料費をとっても、より安く調達している企業より競争力はないことは明確。そして今や、企業はグローバル化し、日本の製造業も生産コストの低減を求めて中国やアジアなどに生産拠点を移しています。
     
低いコストで大量生産される海外の商品に授産製品が低価格で対抗していくのは無理です。そのために「如何にして付加価値を高めた製品に仕立て、工賃が稼げる収益事業を福祉の現場で作り出すのか」という、普通のビジネス活動よりも難しい課題を、職員が考え出さなくてはならないという現実があります。

日本の流通の特徴

授産製品の販売チャネルの現状としては、概して多いのは、「バザー」、「行政機関での販売」、頑張っているところで「直営店の設置」、「ネット通販」も行っていますが、一般流通市場ではあまり目にすることはありません。理由としては生産量や品質が安定しない場合が多いため、または一般流通に営業アプローチを行っていないということも。

そして、授産製品の一般流通を阻む大きな問題があります。それは「日本の流通コストの高さ」です。日本の流通の特徴として、流通構造の多段階性と小売業の仕入れ価格の低さがあります。

最近は「SPA(製造小売業)」の興隆で卸売業は減少気味ですが、依然海外に比べて流通に介在する卸売業の数は多く、また小売業は非常に低い卸売価格をメーカーや卸売業に求めている現状があります。

雑貨製品を一般流通市場の小売店で販売してもらおうと思ったら、納入価格は小売価格の半額ぐらいでないとお店においていただけません。ある商材に関してある小売チェーンでは、製品の仕入れ価格は委託販売で店頭小売価格の約40%というところもあります。
   
よほど原価の安い製品なら別ですが、同じ製品を売っていただくのにその小売店に対して約60%の「手間賃」を払わないと売場に出ないということになり、コスト競争力の少ない授産製品はそもそも一般流通の土俵に乗れないということがあります。

これはもう授産製品だけでなく、多くの国産製品に当てはまるかもしれません。もうすでに一般流通チャネルにおける雑貨製品、アパレル製品などは、ほとんどが中国をはじめとした外国製となっています。

日本の地方部で作っている製品、昔からつくられてきた伝統工芸品、そして授産製品が、今の一般流通チャネルで展開するには非常に高いハードルと世界間競争があるのです。
      
立地の悪さ

また飲食や小売店などの直営店をもつ事業を行う際の立地ですが、福祉施設が事業を行う際、予算の少なさから空き店舗や普通のビジネスでは使われない不利な環境、一般ビジネスに難しい物件を優遇されて利用して開始する場合が多いです。

例えば、行政が管轄する施設の一角を喫茶スペースとして、運営を福祉施設に業務委託するパターンや、衰退した商店街の空き店舗を活用するなどです。賃料は安く、就労のチャンスを行政サイドは与えていますが、人通りが少なくて閑古鳥が鳴くお店になっていることも少ないケースではありません。立地がものをいうビジネスの場合、よく考えてから事業を行わないと成功確率が低い前提があります。
   
多くの人に知られていない

授産製品のプロモーションの現状としては、プレスリリースなどの各メディアへの発信を行っていない、その製品やサービスに新規性やオリジナリティ面白さがないために、取り上げられないということもあります。

また、地域バザー等での販売に限られているため告知は開催施設の掲示板などに限られ、伝播力の強い各種メディアに取り上げられることも少ない現状です。各施設のホームページの設置なども多くない状態です。

結果、その製品やサービスを知るのは、保護者や限られた人たちだけになり、ビジネスの結果としても限られてきてしまっています。

地方経済圏の衰退 企業のグローバリゼーションと障がい者

特に、製品というよりは軽作業などのサービスにいえることですが、昔は各地域にも障がい者が担う軽作業が今より多くあったといいます。昔の村などでのコミュニティにおいても、障害を持つ人であっても一定の仕事の分担があり、その中で何かしらの役割を与えられ、小さな経済圏の中で支えられていました。

しかし、製造業の海外流出や国際競争の中で、ものづくりの仕事の多くがなくなってしまいました。国内産業の空洞化で、地方に仕事がなくなり、その地域の経済圏が崩壊しバラバラになった現在、地域経済で障害者の仕事創出や雇用を支えられていない現状があります。

前述の就業年齢にある障がい者数の増加に対し、地域での仕事が逆に少なくなっていることが考えられます。
   
メンバーの働く能力

そもそもの話ですが、授産施設(特に就労移行支援施設・就労継続支援B型施設)に通う障がいを持つ方は、働くことが難しい面があります。体調のよいとき悪い時もあります。また、そもそも働けない状態にある方もあり、すべての方が働くために授産施設に通っているというわけでもありません。
 
家族の人にしてみれば、自宅にこもりっきりだったのが、外部の施設に通えるようになっただけでも素晴らしいことであり、さらに仕事をして賃金をもらうことなど夢のようだということもあります。

また、働く能力が高い方は、「一般就労」もしくは「就労継続A型施設での雇用」という道が見えてきます。それは、一般的な就職です。そこに本人にとって幸せな環境が全てあるかどうかはわかりませんが、仕事や給与という観点ではそちらの方がお給料も断然高いですし、収入も安定しています。
となると授産施設(B型施設)に通っているのは、働くことが難しい方が多いという現実があるということです。
    
そのメンバーで授産施設は、工賃という収入をあげるために、市場競争力ある製品やサービスを開発し、一般製品と同じ土俵で戦っていかなければならないという難題に挑んでいるのです。

  
つづく   ③へ

なかのひと
 
 
 


 

1.障がい者が社会とつながる仕事 ①働きたい意志のある障がい者を取り巻く環境

  
以前より書き溜めている、「社会的弱者のマーケティング」について、このブログで公開してみようと思います。

     
新規事業や製品開発、ブランド立ち上げをする仕事の中で、また授産製品等の販売をお手伝いするセルザチャレンジの活動として障がい者や最貧国の人たちがかかわる製品の開発を行ってきた中で、そして授産施設や企業向けのマーケティング関連セミナーなど活動の中で、様々な経験が得られました。

マーケティングを専門とするビジネスマンとして生きてきて、また何かの縁で障がい児の親になり、将来に不安を持つ当事者となった自らが取り組んでいくべきテーマでもあります。
     
ここでは社会的弱者がかかわる事業の作り方、世界でオンリーワンの製品・サービスづくり、強い事業・ブランドの立ち上げ方やそのプロセス、ポイントになることを、経営コンサルタント・マーケティングの専門家の立場と切り口からご紹介していこうと思います。

        
取り上げるメインテーマは障がい者の手による製品・サービスについてですが、一般企業の経営や個人の生き方戦略にも当てはまる話と思います。
           
経営者の方や、特に消費財や雑貨・ファッション製品のマーケッター、新規事業や企画担当、デザインやコピーライティング、広報や営業・販売等を行う人、また就職活動や転職活動などで自分の進むべき道にご興味のある方は、ご自身のことに置き換えてみて読んでみていただけると良いかもしれません。

                
授産施設の職員の方をはじめ、多くのビジネスパーソン、経営者、地域の中小事業者、福祉職の方、NPO・NGO職員、フェアトレードに携わる方、プロボノを目指す方、社会起業に興味のある方、CSRの担当者、学生、障がい者を家族に持つ方などに、何らかの気づきや考える機会が得られ、すこしでもお役に立てられれば幸いです。
 
 
それではよろしくお願いたします。
  

 
「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

1.障がい者が社会とつながる仕事

 
①働きたい意志のある障がい者を取り巻く環境

障がいを持つ方と仕事ということについて、簡単にご説明していきましょう。


働く意志のある障がい者と仕事

現在日本には745万人の障がい者(平成23年版障害者白書より)がおり、潜在的な数を含めると800万人以上いるといわれています。1億3千万人の人口に対して、十数人に一人が何らかの障がいを抱えているということです。言い換えれば、東京23区の全人口は810万人、ということはこの日本には東京23区の全人口とほぼ同数の障がい者が身近にいるということになります。  

障がい者といわれる人は3区分で、身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者がいます。その数は、身体障がい者366万3千人知的障がい者54万7千人、精神障がい者323万3千人となっています。そして障がい者数は、年々増加傾向があります。

平成23年度版障害者白書  障がい者数など
http://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h23hakusho/zenbun/pdf/h1/2_01.pdf
  
それらの障害を持つ人の中で「仕事をしたい」、そして「得た賃金で自立生活をしていきたい」という意志を持つ人たちがいます。
障がい者白書のデータから鑑みるに、メインとなる就業年齢(18歳~64歳)にある障がい者についてこの約10年間で、身体障がい者については約120万人で横ばい、知的障がい者は188万人から274万人と90万人の増加、精神障がい者は約149万人(平成14年)から180万人(平成20年)と50万人の増加となっています。
合計すると、就業年齢(18歳~64歳)にある障がい者の数は増加傾向にあり、現在約574万人いるとされます。

知的障がい者・精神障がい者の数と増加数が多く、合計で140万人の増加で454万人となっています。

就業率を見ますと、身体と知的で約半数、精神で約20%と非常に低くなっています。また、そのうち身体障がい者の常用雇用が48%、精神障がい者は33%、知的障がい者は19%となっています。
   
平成23年度版障害者白書  障がい者の就業についてなど
http://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h23hakusho/zenbun/pdf/h1/2_06.pdf


そして現在「仕事をしたい」いう意思がある障がい者に対し、日本にはそれらの人たちの希望を満たす仕事は少ないという現状があります。
     
障害者の法定雇用率の関係で一定以上の規模の企業による障害者の雇用は進んでいます。社員数が56名以上の企業は1人以上の障がい者を雇用することが義務付けられ、全社員数の1.8%の雇用(今後2%にアップ)が法律で定められています。

行政も様々な施策を講じ、平成22年度時点では法定雇用率を達成した企業は47%と過去最大とはなってきていますが、まだ全体企業数の半数に留まっています。半数以上の企業が罰則金を支払い、雇用を実現していないことになります。

平成23年度版障害者白書  障がい者雇用や施策について
http://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h23hakusho/zenbun/pdf/h3/2_1.pdf
   
仕事は増えてきているとしても、それは大企業の多い都市部に集中していたり、健常者と同じように働ける力のある方の雇用にとどまっています企業の少ない地方部や、都心まで通うことが難しい距離にある郊外では仕事は少ないのが現状です。

都心に近い郊外とはいっても、やはり通勤電車に乗り都心の会社まで通うことは非常に難しい面があるのでしょう。また、知的・精神に障害を持つ人の雇用は進みずづらいという偏りも存在します。 

そして障がい者を子供や兄弟などに持つ家族にとっては、学校を出た後どのようにその本人が生きていくのかは非常に大きな悩みでもあります。 
  
授産施設とは

一般企業(特例子会社も含む)に雇用されない、働きたい意志があり就労可能な状態にある障がい者の多くは、地域の「授産施設」にて働いています。その多くは知的・精神に障害のある人が多くなっています。

授産施設についてウィキぺディアで調べてみますと、「身体障がい者や精神障がい者、ならびに家庭の事情で就業や技能取得が困難な人物に対し、就労の場や技能取得を手助けする施設。おもに社会福祉法人などの団体によって、障がい者に対し生活指導および作業指導を行っている。」と出ています。そして、日本セルプセンターによれば日本全国には約3,500箇所の授産施設があるとのことです。  

授産施設には様々な成り立ちがありますが、地域で自分の子供の働く場を作ろうと親が立ち上げた施設、地域の社会福祉法人が作った福祉施設などがあります。そしてさらに細かい話になりますが、障害者自立支援法の枠組みの中で3種類に分けられます。①就労以降支援事業、また②就労継続支援事業としてA型(雇用型)と③B型(非雇用型)を行う施設があります。

就労移行支援事業は、2年間の期間で一般企業に就職するための訓練を行う事業所です。2年間の後は一般企業に就職する予定です。しかし2年後就職できなかったり、一度就職してもまた戻ってきてしまう場合もあります。となると実態としては施設でまた過ごす時間ができるということになります。 施設で訓練と絡めた仕事がない場合は収入は少なくなってしまいます。
        
就労継続支援事業A型は、施設との間で期限なく正規の雇用契約を結び「社員」となります。そして最低賃金(約10万円)を上回る賃金を確実に受け取ることができます。これは一般就労と変わらない形になります。一般的に福祉工場といわてきました。就労移行支援を受けたが一般の企業への就職が実現できなかった方などが対象となります。契約されるには仕事ができる能力が求められます。働く能力のある方は最低賃金をもらえますが、施設としては事業を継続し賃金を継続的に払えることができるかということも課題となります。

就労継続支援事業B型は訓練やリハビリを目的としていて、従来の通所授産施設が移行したものです。一般的に授産施設といわれてきました。以上2つの雇用契約に結び付かなかった人が対象となります。つまり働くことがなかなか難しい人といえます。そして賃金体系や労働法規については最低賃金法などの適用外で、仕事によって得られた利益(工賃といいます)を仕事をした障がい者で分配する仕組みとなっています。ここでは月収1万円以下ということも多く、非常に低い工賃が問題になっています。

平成23年度版障害者白書 障がい者の工賃
http://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h23hakusho/zenbun/pdf/h1/2_07.pdf

国としては、障がい者の経済的自立の支援ということで、障害年金があります。障がいの度合いによって給付額が定められています。生活保護なども加えると、最低限の生活は社会保障として整備しています。
  
平成23年度版障害者白書 経済的自立の支援
http://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h23hakusho/zenbun/pdf/h4/1_3.pdf

しかし、ある程度働ける能力がある障がいの度合いで、働く意思を持つ人が、一般企業や福祉工場ではなく授産施設で働く際、働くことや工賃などについて様々な問題があります。
     
今回のコラムでは、この就労継続支援事業B型の施設(授産施設)や働く人の抱える課題をメインについて書いていきたいと思います。

以上の施設・法人は、障がい者がその施設に通うことで、国(一部障がい者からも)から収入を得て、施設を運営し職員の給与などを確保するビジネスモデルとなっています。

事業の形態については、こちらにわかりやすく記載されているので参照してみてください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/shingikai01/pdf/5-2i.pdf

授産施設という言い方は古いので、「福祉作業所」といったほうが良いかもとも思います。
     
授産製品の特徴

授産施設で作られるものは「授産製品」(「自主製品」とも)と呼ばれます。取り組みの多い製品は、クッキーやパンなどの食品、縫製品や木工品や皮工芸品など、また軽作業として郵便物の封入や簡単な軽作業、農作業や清掃なども行います。また福祉カフェなどで、喫茶店を運営している場合もあります。 主に施設職員や保護者が指導し、その施設のそのメンバーで出来るものということになります。

手作業で出来、複雑な機械を用いず、それほど危険のなく、「簡単に作れるもの、行える作業」が多いのです。 ということは、普通の人でも家庭で作れるものが多いので、なかなかお金を出して買っていただく付加価値のある製品になりにくいという難点があります。

新しい動き

知的・精神障がい者が働く場は全国の社会福祉法人など福祉サービス業者による授産施設が多いわけですが、最近では一般の民間企業の障がい者を雇用する取り組みなど新しいモデルも注目されるようになってきています。福祉の現場でも商才がある人がいて従来とは一線を画す取り組みを行う法人もあります。熱意のある職員の方が外部の方を動かし、様々なコラボレーションをしている法人もあります。また前述の就労3事業を組み合わせて同時に行っている大きな法人もあります。
         
法定雇用率や自立支援法、社会の変化などにも合わせて、障がい者が働き方の多様性が生まれてきています。
  
これは全国の先進的な取り組みを後ほどまとめて紹介していければと思います。


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なかのひと
 
 
 


 

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