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2012年8月12日 (日)

1.障がい者が社会とつながる仕事 ③授産施設は何を目標にするべきか

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~

1.障がい者が社会とつながる仕事  


③授産施設(特に就労継続B型)は何を目標にするべきか

一般企業の製品・サービスに競争で勝てるのか

2009年のリーマンショックで世界中の多くの場所で景気は低迷し、2011年の東日本大震災で日本経済はさらに大きな打撃を受けました。円高やデフレといった様々な要因で、非常に厳しいビジネス環境となっています。

消費は冷え込み、消費者は本当に必要なもの、価値を感じるものにしかお金を払わない時代になってきています。そして日々生き残るために必死で事業活動している一般企業も来年、数年後存続しているのかわからない時代です。また、障がいをもつことなく、高等教育を受けた若者さえも就職が難しい、また働き盛りの人さえもリストラにあうといった、今の日本の環境があります。  

その厳しい環境、低迷する地域経済で、海外からの安価で良質な製品があふれ、一般企業が生き残るために凌ぎを削るこの今、本当に国内外の一般企業の製品・サービスに勝てるのか?継続的に外部企業(作業等の発注者)や一般消費者に選ばれていく製品・サービスを提供し続けていけるのか?普通のやり方でそのことは実現できるのか?、難しい問題です。
 
その難題に取り組むべきなのか
 
授産施設において「障がい者による製品・サービスをつくって仕事とし、工賃をアップする」、「工賃アップ計画」という取り組みは、
果たして現実的なのか?、何とも牧歌的なスローガンではないのか?、工賃倍増したらどうなるのか?、そもそもそんなことをしなくてもよいのではないか?
         
一方企業は、社会的責任として国が支えられなくなった障がい者の雇用や生活を、法定雇用という責任を負い実施していくことになります。働く意思を持つ障がい者が、一般企業に就職し働く場を与えられ、収入を得ていく動きが出てきています。
  
まだ受け入れ側の企業も受け入れ態勢について、共に働くことについて試行錯誤が必要と思います。しかし、経済の中に弱者が組み込まれることで、より地域などで支えあっていた昔に近い状態になるかもしれません。
     
しかしその中で、一般就労に向かない人たちもいます。職種や職場の人間関係、受け入れ企業側の対応などの相性もあります。その人たちが仕事の場がいくつも合わず、福祉サービス業を提供する施設に通うこととなった時、「収入のアップを目指して」仕事をしてしていくべきなのかどうか?、外部企業や一般市場と関わる仕事に関しそこに競争原理は働くのか?、とても悩ましいことと思います。しかもそれぞれの人は、それぞれ個性があり異なります。すべてをまとめることもできません。

その難題に取り組むべきか、何を目標にしていけばよいのか、非常に難しいことと思います。
  
授産施設が目標にすべきもの
  
経営者によって「会社とは何か」という定義が違うように、施設も代表者によって目標にすべきものがそれぞれ異なると思います。
   
自分自身は、地域の授産施設が目標にすべきもの、それは「生きる場」づくりと考えています。
    
その地に生まれ、そこで生きていくこと、そのための場が障がい者父母の会などで作られ始めた授産施設の成り立ちです。養護学校を出た後、働く場のない子供たちのために皆で作った作業所が多いと思います。

そこでの目的は地域の中で、仕事をしたり、人に認められたり、人生を楽しみながら生きていくこと。

生まれてきたそれぞれの人が、その人生に挑戦することが「生きる」ことであると思います。そして、働く意思を持って通ってくる人に対して、授産施設はその人の「生きる」ことを最大限にサポートしてあげることが大切と思います。

難しさはあるが挑戦する、何か仕事をして日々を過ごす、仕事を通じて社会とつながる、やりがいを得て人にも認められる、努力したことで人に喜ばれ感謝される、そして収入も得られる。
 
仕事を通して得られる工賃は、一つの努力の指標です。そしてそれは多ければ多いほど良いことです。グループホームなどで生活していくために各人の月の障害年金額にいくら工賃をプラスしたら自立生活できるのかという額が目標でもよいです。しかし追求していくのは、収入アップだけではありません。お金だけではないのです。
     
前述しましたが日本には社会保障制度があり、障がい者年金と生活保護などを合わせれば働かなくても食べていけるかもしれません。しかし働ける能力を持つ人が、ただ何もしないで食べていければそれで幸せでしょうか?(食料のない国もありますが、この日本で)、それで張り合いを持って「生きている」といえるとでしょうか?
  
人にとって、何かをして人に喜ばれる、仕事をして社会に認められる、仕事を通して社会とつながる、ということは人にとってとても大切なことです。
  
働く中で成長し、多くの人を納得させる製品やサービスが提供できた時、それが社会に認められ、生きがいを得られ、生きる喜びを感じる時
となると思います。
    
それは本人だけの喜びではなく、本人を支える家族、そして施設などの職員の共通の喜びでもあります。
  
授産施設は、地域の中で、働く意思がある障がいを持つ人が日々過ごすまさに「生きる場」なのです。

これは一般企業も同じです。職場とは働く人が共に「生きる場」といえるのです。
   
つづく ④へ

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コメント

授産施設が目標にすべきもの

障害者にとって職場が生きがいの場所になることで、その人達を取り巻く職場の関係者は障害者から学ぶべき所があります。障害者を真ん中に置く(主人公にする)ことで職場が活性化してきます、職場を通じて人間性を高める道場になっていくことも、副次的な授産施設の目指すべき所ではないかと思います。

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