カテゴリー「⑪アグロナチュラブランド開発ストーリー」の17件の記事

2006年9月27日 (水)

アグロナチュラブランド開発ストーリー15 そして1年が経とうとする今

アグロナチュラが初めて出荷されたのは、2005年11月9日です。

今やっと誕生後10ヶ月が過ぎようとしています。

無名で発売もしていなかった10ヶ月前とは全く状況が変わりました。

地道なプロモーション活動が実りはじめ、多くの方々のお力添えで、2006年4月ぐらいから売り上げが急拡大したのです。

その後も各雑誌に毎月取り上げてもらい、2006年9月現在、約300店もの洗練されたお店やホテルに扱っていただいています。

今や自然化粧品ブランドの一つとして認知してもらえるようになりました。

とても嬉しいです。

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そして、売り上げ急上昇と事業化の成功により企業も新たな局面に入りました。

当初売れるかどうかわからなかったこの新規事業・ブランドは、今の時点で小売価格で年間10億円弱を売り上げ、会社の中心成長事業となりました。
      
そして、自分にとっても節目が来たと感じました。
    
今後は、福祉とビジネスの融合を具現化できる世界的なブランド・事業を、皆で力をあわせて生み出していく夢に新たに挑戦していきたいと強く思うようになりました。
 

アグロナチュラ事業は今後も拡大を急ピッチで行っていく方向です。

これからも、末永く続けていけるような事業展開になっていければ素晴らしいことと思います。
   
うまくいくように本当に心から願っています。

  
わけのわからないまま生み出し、多くの方に愛されたこのブランドは、自分にとっては子供のようなものでした。

世界を少しずつでも変えていけるようなブランドを夢見てきました。

これからもハンディキャップのある人の雇用や世界の困窮する人たちの現状を少しずつでも変えていけるようなブランドであって欲しい。

永遠に魂が抜けないように、灯火が消えないように、

蔭ながら見守っていきたいと思います。

この場をお借りして皆様にお礼を言いたいと思います。

なにもない状態からこのブランドがここまでになったのは、たくさんの思いやりをいただきながらあたたかく見守っていただいた皆様のおかげです。

あたたかなやさしい心をいただいて皆の心がひとつになり、このブランドは生まれたのです。

そしてその感謝の気持ちを忘れないかぎりこのブランドは存在していけるものと信じています。

本当にどうもありがとうございました!

 
 
アグロナチュラブランド開発ストーリー おわり

2006年9月12日 (火)

アグロナチュラブランド開発ストーリー14 福祉とビジネスの融合のジレンマ

個人的に当初このアグロナチュラブランドの立ち上げのモチベーションになったのは、何とか得意なビジネス分野でハンディキャップのある人の雇用を生み出していくような営みを作れたら良いなということでした。

日本のヤマト福祉財団のスワンベーカリーや、化粧品ブランドとしては社会的な意義を前面に出していたボディショップなどのイメージです。

具体的に取り組んだことは、東京都で紹介してもらった東京コロニー印刷所に各印刷物を発注したり、その他販促に用いる小分けサンプルなどを福祉作業所に作成依頼する等のことでした。

東京コロニー
http://www.tocolo.or.jp/

東村山市の障害者授産施設「あきつの園」で作成していただいたビオリーブス洗剤のサンプル
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一方、20年間事業を続けてきたイタリア現地のアグロナチュラ農業組合サイドにも、日本ビジネスの急速な展開とスピード・バランスを保ちながら、地域経済の再興、地域での雇用の推進といった、じっくり慎重に進めていくべきの課題がありました。

ブランドが立ち上がり、日本全国の店頭に並び、雑誌に取り上げてもらい、売り上げは順調に伸びていきました。

日本の事業計画上競合と位置づける輸入商社や国際メガブランドの売り上げ規模や店舗数とのベンチマーク。

急速に事業を拡大していくための売上確保施策や製品調達等の販売活動。

日々の販売活動に追われる中、個人的な課題である「福祉との融合」というテーマや、イタリアの農家の社会的な取り組みを少しずつでも実現していきたい。バランスを取りながら、少しずつ小さな取組ですが進めていくことができました。

2006年9月 9日 (土)

アグロナチュラブランド開発ストーリー13 チャネルマネジメント

アグロナチュラを新事業としてはじめた、イデアインターナショナル社本体は小売店に中国・台湾の工場で作った置時計やエスプレッソマシン等を、デザインをお洒落にカスタマイズして輸入、価格面での競争優位性を生かした卸販売を行う雑貨商社として成長してきました。

最近では、フランスのLEXONの日本販売代理店、旧タカラ子会社のプラスマイナスゼロの販売代理店等さまざまなブランドの販売代理業を行い、売り上げを拡大させております。

日本国内の取引先は2000店を超える雑貨店や家具店をはじめ文房具店、コンビニエンスストア、食品スーパーネット販売業者、テレビ通販業者、そして自社小売店舗というマルチな販売チャネルを持ち、約40名の社員のうち約半数が営業員の、販売・営業に非常に強い会社でプッシュ戦略に強みがあります。

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中国の雑貨展示会にて

一方、化粧品ブランドとしては、多くの営業マンが全国のあらゆる物販業を回ってバイヤーにお願いして買ってもらうというプッシュ戦略よりは、良いものを作ってイメージを高めそれを伝え、消費者に愛顧して買ってもらうというプル戦略が重要です。

良いブランドイメージの構築には、綿密な仕掛け作りが必要となり、自然にブランドができたり、偶然に信頼が生まれるものではありません。
ユーザーとの信頼関係の中で醸成されていくものです。

特に化粧品は、お肌にかかわる重要なものであり、思いつきやテクニックに任せてどんどん売り場にはめ込んで終わり、消費者ではなく小売業のバイヤーに製品を売り切って終わり、いろいろな価格帯別ブランドや用途用ブランドを作って小売店に導入したら売り上げが一時的に上がって終わりというものではなく、ユーザーとの信頼関係の中で、長い間買い続けもらい、それを継続させていくという非常にデリケートなものです。

マーケティング用語としては少し古くなりましたが、ライフタイムバリュー(LTV)という考え方があります。
コンピューターが進展して「顧客」が「個客」として把握・管理できるようになった今、一時的に何人が買ったというおおまかなシェアではなく、ある人の一生のうちで使うお金の中のシェアを如何に上げるかというより具体的な取り組みが重要になってきました。

ある人が、一生のうちで家や保険、車や雑貨、化粧品に使うお金の中で、如何に自社の製品の購入の割合を、その人の一生に関わって増やしていくかということです。

そして、そのターゲットにリーチし、信頼関係の中でブランドを作り上げていき、マーケットを生み出していくには戦略とその実行が必要です。

たとえば、ブランド品の卸売り販売の場合のチャネルマネジメントについて重要なのは、自分が担当しているお客さまの中で売りやすいところに製品を選んでもらってちょっとずつ売るのではなくて、絞り込んだ売っていただきたいターゲット店舗に売っていただきたいものを売るというようなことです。

導入店舗数に広がりを求めるなら順序も重要です。お洒落な店の順しか入っていかない現実があります。

街の中でいろいろな店舗が同じブランドを扱っている、扱っているけど全アイテムではなく少しずつで欲しいものが買えないという消費者の不便さ。

すぐ近くの店舗やネットモールなどで同じブランドを扱っていて、わざわざ自分の店で売らなくても良いよという店舗スタッフさんのモチベーション低下。

薄く広くたくさんのお店に販売して、その結果欠品や不良品対応に追われるメーカーの非効率性。

このようなマーケティングミスを避けるためには、しっかりと戦略を立て、それをしっかり実行していくことが重要です。

しかしなかなか徹底統制できず、一時はいろいろなところに少しずつ商品が並ぶという状況になりました。

一つのブランドを作り上げていく中で、事業をうまく行っていくためのマーケティングマネジメントは、非常に難しいことと実感した時期もありました。

2006年9月 8日 (金)

アグロナチュラブランド開発ストーリー12 プロモーションについて

さて、どうやってこのブランドを多くの人に知ってもらい、買ってもらうのか?

プロモーション戦略はどのようにしていくのかいろいろと考えてきました。

まず、このブランドの強みはその背景にあるストーリーの壮大さと、日本人向けにこだわった製品としての新規性、そして小規模で手作りで手間隙をかけて誠実にものづくりをしているというリアル性です。

そこで、徹底的にそれらの内容をオープンにすることで、競合ブランドとの差異化を図ることにしました。
ものづくりへのディスクローズとトレーサビリティの最大露出をプロモーション戦略の核としたのです。

自分自身、ハーブや化粧品ってどんなところで、どうやって作られているのか全く知りませんでしたし、なんとなくその裏側って見てみたいとも思ってました。

それがわかると結構好きになりますよね。
ビール工場見学→出来立てビール飲む→そのブランド好きになる
みたいな。

そこで行ったのは、カタログやホームページに製品のこだわりや、原料・化粧品の作り方などの情報をテンコ盛りにのっけるということでした。

製品的な唯一の強みは、日本のド素人が識者と共に一から疑問をぶつけながら、本場ヨーロッパの自然化粧品のプロと作った成分へのこだわりと、本物の内容・使用感でありながら洗練された姿で価格も高くないということです。

これをしつこいぐらいにアピールしました。(ちょっとくどすぎましたね。。)

そして、さらにイタリア現地での日々の生情報を伝え、ユーザーの方との双方向性を得るためのブログの開設、ホームページ上のメッセージ欄の開設等でした。

これによって、このブランドがどんなものなのか、どうやって作られているのか、わからないところは確認できリクエストもできる等、ユーザーも巻き込んでブランドを作り上げていくという、ものづくりに力点をおいた家族的少量生産ブランドならではの強みが生かせる仕組みができたのです。

そして、商品力を高めることで少ない宣伝費をカバーすることにしました。
注力する経営資源をものづくりに特化することで、壮大な宣伝費を使わなくても認知が広がっていくという仕組みです。
得意分野での身の丈分担の考え方です。

こだわりの認められる製品にすることで、媒体価値のあるショップ店頭での露出から始めて、イノベーター層への認知と口コミの醸成、その後スタイリストさん等に取り上げていただき雑誌掲載開始、その後プレスリリースを各出版社に送付し、パブリシティとして取り扱っていただくという流れです。

すごく素敵なお店においてあってよく見る、すごくお洒落なファッションリーダーが使っている、雑誌にも出ている、ネットや店舗にあるカタログを見てみると中身はすごくこだわった本物である、この化粧品という媒体を通じ何か良いことに参加できることを知る、さらにブログ等を見てみるとその背景のストーリーや活動がわかっていく、そしてユーザー自身も参加していく、といったスパイラルを作りたかったのです。

ホームページやカタログの準備後、素敵なお店への取り扱いの営業活動からはじまり、ブログの運営、MIXIへの書き込み、、イベントへの参加、雑誌社へのプレスリリース等、地道な活動を続けていました。

そして、ブログやホームページのメッセージ欄には多くの方からメッセージをいただきました。
本当にありがとうございます!
そのメッセージで、モチベーションを保ちやってこれました。

発売して9ヶ月、昨年の9月には想像もできないことです。

2006年9月 5日 (火)

アグロナチュラブランド開発ストーリー11 たすけられて

ブランドの発表前、不安の入り混じる不思議な緊張感でした。

販売チャネルは、メインチャネルとしてライフスタイルを提案する高感度なライフスタイルショップとして、ブランドマネジメント上店舗リストおよび導入順序まで綿密な計画を持っていました。

しかし、製品もまだ出来ていない状態。


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展示会のブース




そんな中、本当に多くの方に助けられました。



その時のことを考えると、実績も名もない謎のブランド、しかも中身はカラのサンプルだけのものを、よく思い切って採用していただけたなと思います。



皆様のお力添えにより全く無名のインディーズブランドが、この世に出て行くきっかけとなったのです。







2006年9月 4日 (月)

アグロナチュラブランド開発ストーリー10 問題発生!

この新事業の開発は平坦な道は少なく、あらゆる局面でさまざまな問題が起こりました。

特に大きかったのが、こだわった自然化粧品であるために起こる品質の不安定化です。

いくつかのお取引先が決まった10月に一部の製品がイタリアから届きました。

そのとき、特にこだわっていたハンドクリームが全部廃棄処分となったのです!

合成の界面活性剤と乳化剤を使わないで、クリームを作ろうとしていたため、油分と水分の完全な乳化は難しく、高速攪拌でクリーム状にするという方法をとっていました。

しかし、日本に着いたときは完全分離していて溶けたバターみたいになっていました。
内容は同じでも、これでは売り物にならないということで泣く泣く捨てました。

そして、今後もこのようなことが発生しないために、合成の乳化剤を入れてしまおうかと悩みました。

海外の自然化粧品には、多くレシチンを乳化剤に使っています。レシチンは卵黄や大豆に含まれる天然のものですが、化粧品に多く使われるものは「水素添加レシチン」というものらしいです。
化粧品成分の本には、合成界面活性剤として載っています。
このレシチンについての体への影響は少ないと思いますが、DEMETERの自然化粧品認定では使用が禁じられていますので、今回は外すように作っていました。

これらを入れて品質の完全に安定した製品にするか?入れないで世界初の乳化剤無しのハンドクリームに挑戦するか?、アグロナチュラパパさんと悩んでいました。

中目黒のイデーに向かう途中のタクシーで、アグロナチュラパパさんとアントス叔父さんとの国際電話での大声での打ち合わせの時、皆で決断しました。

後者で行こう!

ハンドクリームのストーリー
http://www.idea-in.com/blog/archives/000044.html

また3月のブログでは、皆様にたくさんの意見を伺い最終的な方向を定めました。ありがとうございました!
http://www.idea-in.com/blog/archives/000091.html

皆様の話をアントス叔父さん伝え、彼のあくなき品質安定への挑戦により後者でいけることになったのです。

おかげさまで、シリーズナンバーワンのヒット商品となりました!

2006年9月 3日 (日)

アグロナチュラブランド開発ストーリー 9 価格の設定

少し順序が前後しましたが価格のお話です。

自然化粧品市場において後発参入であったアグロナチュラボディケア製品は、平行輸入品ではないオリジナル製品のため価格について自ら設定が可能でした。

原料調達、パッケージ購入、生産、ダンボール等の副資材、イタリアからの輸送、日本での保管等のコストも当然ありますが、それを踏まえた上で当ブランドとして本当に適切な価格をそれぞれのアイテムで入念に考えて決定していきました。

競合商品から競争優位性を得られる価格、消費者が当該アイテムとして受容できる価格、コストをカバーし利益を得られる価格、、それはいくらがもっとも適切なのか??

というわけで現場に何度も行って調査し、シュミレーションしていきました。

そして、今までの輸入品の様にメーカーからの出し値に利益を乗っけて算出していたコストプラス法ではなく、マーケティング戦略に基づいた価格設定を自ら行い、その指値で工房に開発をお願いするという方法を採りました。

価格設定の方法には、マーケティング的には大きく3つの方法があります。
①コストに基づいた設定方法、②需要(消費者の知覚)に基づいた設定方法、③競争に基づいた設定方法、です。

この中でどの方法を採るかということではなく、これらのそれぞれを組み合わせて最適なターゲット価格を導き出すということが肝心です。

特に、消費者主導の現代においては、メーカーサイドでこれだけコストがかかったから日本の商社はそれに利益を乗っけた対価を消費者に要求しようという、プロダクトアウト的な手法はなかなか通用しなくなってきました。

ターゲットをしっかり定めて、その人の性別・年齢・住んでいる所・職業・着てる服・読む雑誌、使えるお金、いままで当該製品に使ってきたお金、現在使っている競合製品の価格、その人が高い・安い・買いたいと感じる価格等々を徹底的に調べて、自分もそのターゲットになりきって価格を設定していくことが重要です。

また、どこで売るのかという、そのターゲットにあわせた流通チャネルを当初に設定し、その商流に載せられるような建値の設定も必要です。

アグロナチュラの場合は、コンセプトを「自然化粧品の内容成分にこだわる本物志向の日本人女性をターゲットに、世界基準のオーガニック認定を取得した、日本人女性にとって使い勝手の良い製品を、リーズナブルな価格で、洗練された形で提供する」というものでした。

ここの「リーズナブルな価格」というのが微妙な感じで良いですね。

つまり、「この製品カテゴリーで、決して安さを感じる価格ではないが、この内容にしては競合製品に比べても高すぎず、納得できる価格」というわけです。

では何を根拠に納得価格は決まるのか?

結局、消費者があるカテゴリーの製品の高い安いという知覚を決めるのは、出回ってる類似商品の物価というか、時価によるものが多いと思います。

例えば、ヨーロッパ車のワゴンタイプで4人乗り以上、革シートにナビを装着した新車は、いくらが高くていくらが安く、いくらだったら買うのかということです。

となると、例えばフォルクスワーゲン400万円、アルファロメオ450万円、BMW500万円、ボルボ600万円、ジャガー650万円、メルセデス700万円。。。

そのスペックで、150万円でも高いと感じる人はそもそもターゲットではないし、700万円でもぜんぜん安いよねという人もターゲットになりえないです。

これらの比較の中で、細かいスペックの違いやブランドロイヤリティを考慮して悩む人がターゲットです。

よく、商品開発で価格を設定するときに社内の人を集めて、高いか安いかを聞いたりして「高~い!、安~い!」などと品評会で言い合ったりしてることもありますが、結局その人がターゲットであり、ターゲットとして設定した服を着て、雑誌を読み、お店に出入りする価値観を持ち、買えるお金を持ち、その当該製品の違いを知り、実際にお金を出して買うはずの人でないと、社内の人の顔を立てることと、売れない理由を責任分散する口実をつくる保身のみで、商品開発は失敗に終わることがよくあります。

そして、ターゲットを特定できず、チャネル戦略としては直販と卸販売かを統一する決断ができないため掛け率のレンジを幅広く取ろう、メーカーからの出し値がいくら、それに自分の利益を乗っけるとこう、だから販売価格はこれが常識、状況が変われば値上げしちゃえばいいや、などと思いつきでやってる場合もファンの離反が早いと思います。

また、ターゲットと人同じ価値観を持つリアルショップにて、日の光の下お店のスタッフの方から買っていただくよりも、ターゲットでない人が敷居をまたぎやすく、買いやすいネットチャネルや量販店などで販売した場合、クレーム等が増える現象と同じです。ターゲットにあわせたチャネル選択も非常に重要です。

製品は設定したターゲットのものであってそれ以外の人のものではなく、提供する側も受け取る側もお互いにハッピーになりにくいからです。

最終的に自分がターゲットとなりきってあらゆるブランドの内容成分や価格に熟知し、そのスペックで高い安いがすぐわかるようになることが最も良いと思います。

消費者は何でも情報が手に入る時代になっています。

EX.価格コム
http://kakaku.com/

ヨーロッパ自然系シャンプーだったら、オーガニック認定を取っているものでA・B・CのブランドがあってAはビン入りポンプ付で200ML1680円、Bはプラスチック容器入りで250ML1400円、Cはプラスチック容器入りで1200円、ちなみにアパレルショップやインテリアショップで売られている洒落た非オーガニックシャンプーは、プラスチック容器入りで800円、ネットで一番売れ筋と呼ばれているメガブランドの高級シャンプーは250ML2400円。。。。

それでは、すべての競合ブランドを凌駕する成分スペック・認証をとって、すべての競合ブランドを凌駕する価格とはいくらなのか?

その絶対的な価格を、数百円の差という微妙な範囲の中で悩みながら決めていきました。

シャンプー250MLプラスチック容器入り1470円
コンディショナー250MLプラスチック容器入り1470円
ボディシャンプー250MLプラスチック容器入り1470円

シャンプー500MLプラスチック容器入り2730円
コンディショナー500MLプラスチック容器入り2730円
ボディシャンプー500MLプラスチック容器入り2730円

シャンプー500ML詰め替えアルミ容器入り2520円
コンディショナー500ML詰め替えアルミ容器入り2520円
ボディシャンプー500ML詰め替えアルミ容器入り2520円

ハンドソープ250MLプラスチック容器入り1260円

リップクリーム5MLビン・箱入り1050円

ハンドクリーム75MLチューブ・箱入り1260円

アロマウォーター100MLプラスチック容器入り1260円

ポケットレメディ10MLビン入り1260円

バラシリーズ

シャンプー250MLプラスチック容器入り2520円
コンディショナー250MLプラスチック容器入り2520円
ボディシャンプー250MLプラスチック容器入り2520円
ハンドソープ250MLプラスチック容器入り2310円
ボディ乳液250MLプラスチック容器入り3990円
ハンドクリーム35MLチューブ・箱入り2520円
リップクリーム5MLビン・箱入り2100円
ローズウォーター100MLプラスチック容器入り1680円

シャンプー500ML詰め替えアルミ容器入り4830円
コンディショナー500ML詰め替えアルミ容器入り4830円
ボディシャンプー500ML詰め替えアルミ容器入り4830円
ハンドソープ500ML詰め替えアルミ容器入り4410円

基礎化粧品

スキントナーノーマルスキン125MLビン・箱入り3675円
スキントナードライスキン125MLビン・箱入り3990円
クレンジングミルク125MLビン・箱入り3675円
モイスチャーミルク50MLビン・箱入り3990円
セラム30MLビン・箱入り8400円
ナイトクリーム50MLビン・箱入り5400円

これが現状考えうるベストな価格設定でした。

2006年8月25日 (金)

アグロナチュラブランド開発ストーリー 8 夜明け前

最終的な製品開発の工程は、製品の内容成分の精査とボディコピーの作成でした。

化粧品の説明には、薬事法に基づいた表記の制限があります。

化粧品は「何々に効く」といった具体的なことを書いてはいけません。

また、使ってはいけない成分などの制約等もあるのですが、まったくわからなかったので都庁の薬務課というところに何度も通い、教えてもらいながら成分チェックやコピーを仕上げていきました。

セルフ販売を志向していたボディケア製品ですので、多くのこだわりを店頭にて伝わればと考えた、テンコ盛りのボディコピーになってしまいました。

情報量が多すぎて小さい文字で読めない!

これは、不安と自信のなさの現われです(笑)。

薬事法に準拠した化粧品コピーは、おかげさまでだんだん進化してきて今では結構うまく作れるようになりました。
これは手に職みたいな感じですね。

今後は認知も上がったので、思い切ってりシンプルにしていこうと思っています。

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8月になってやっと日本側の一通りの作業が終わりました。

化粧品業者の免許も取得でき、最終的なボトルラベル、コピーのデータも完了、そこから現地での生産にかかって、9月末にジェノバの港を出ることに。

発売前は自信と不安が入り混じる不思議な気分でした。

がんばって作ったけど果たして多くの人に支持されるのか、まったく売れずすぐ終わるのか、、

イタリアでは本格的な生産に入り、工房は忙しい日々が始まりました。

2006年8月21日 (月)

アグロナチュラブランド開発ストーリー 7 化粧品の成分について

さてさて、2005年の初夏、製品のスペックを決める段階になってきました。

化粧品の製品開発には個別のアイテムのコンセプトを設定しながら、その内容成分を精査していくタスクが必要でした。

化粧品についてまったくの素人であったためその内容成分についての研究が必要で、いったいどんなものを体や顔に使っているのかはまったく未知の領域でした。

日本には多くの主張があり、化粧品成分についての本があり、またネット上にも関連情報がたくさんあります。

また人間の体や皮膚のメカニズムについての文献を読み漁り、何が良くて悪いのか、ニュートラルな立場で情報を集めていきました。

たくさんの危険視成分は存在しましたが一般的には、保存料や合成着色料等には発癌物質が含まれており、使用によって危険性が危惧されるとのこと。
また、自然界から取れるものでも太陽光に作用してシミの原因になるもの等もある等々。

今回アグロナチュラ製品は、せっかく新しく作るので、一つ一つ成分を調べて日本にて分かり得るだけの情報から、出来たらより安全だと思われるものを作ろうとしたのです。

そういうこだわりの化粧品が一つくらいあっても面白いかなと思いました。

しかし、石鹸以外に泡立ち体の汚れやあぶらを除去、また水分と油分を乳化させる界面活性剤については少々悩みました。

使い勝手を考えると特にヘアシャンプーなどは合成界面活性剤を外せません。一方合成界面活性剤は皮膚の上部組織を壊し穴を開けるために、使わないほうが良いという意見も多くあります。

いろいろ悩みましたが、ビオリーブスシリーズの洗浄系アイテムに薬用サボン草というハーブの絞り汁から取れるサポニンという天然の界面活性剤をメインで使い、補助としてヤシ油から得られる合成の界面活性剤を用いることにしました。

ビオリーブスシャンプー類は泡立ちよく、髪を洗ってもギシギシになりにくい特徴があります。

一方、とことん成分にこだわる人向けに、アントス工房で石鹸ベースの洗浄系アイテムを作ったのです。

特に今までの石鹸シャンプーは、ミニマムな原料のみを使った「守りのケアアイテム」といったイメージでしたが、アントスシリーズでは石鹸ベースでありながらお肌や髪に有効に成分が働きかける「攻めのケアアイテム」を、石鹸ベースで世界初のオーガニック認定付のものを作ってみようと考えました。

それがアントス石鹸シャンプー、ボディシャンプーシリーズです。

皮膚に優しいように蜂蜜等の酸性成分を用いてペーハー値を弱アルカリにしたり、石鹸をヤシ油よりもオリーブ油石鹸の割合を増やしたりした結果、泡立ちが一般的な商品より少なくなってしまいました。

こちらの開発には、松沢さんや綿貫さんをはじめとした社内の女性に何度もモニターをしていただきました。本当に何度髪を洗っていただいたかわかりません。ありがとうございます!

改良を重ねてきましたが、通常の界面活性剤シャンプーより泡立ちを得るのが難しいですので、泡立つポンプに入れて使うと使い勝手が良いと思います。
ボディソープはタオルやスポンジを使わず、洗顔と同じように手で洗うのが良いです。

キサンタンガムという食用増粘剤以外は、まったくの化学成分フリーというこだわりのシリーズです。

さらにアントスシリーズについては、よく自然化粧品で使われる、いわゆる「レシチン」(本当は水添レシチンという合成界面活性剤)さえも含まないハンドクリームやリップクリームなど特徴のある製品を、なるべく危険視される成分を用いないで作るというコンセプトで工房に依頼して開発していきました。

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写真はアントスハンドクリームを界面活性剤入り・無しで開発していたときのサンプル。この時で48種類ぐらいのサンプルがありました。

実際にオーガニックがどれだけ体に良いのか、危険視される成分が体に悪いのか、本当のところはわからないのが真実と思います。

ただ、ブランド名も無名、資金も大手化粧品メーカーのように潤沢でなく、派手な広告も出来ない謎のインディーズブランドには、コンセプトとしてこだわりの成分で攻めるしかないと考えていました。

この何でもある日本市場の化粧品の世界にわざわざ無名の弱者が参入するコンセプトとして、また20年間もたいして儲からない有機農業を続けてきた農家の製品をプロデュースするためには。

常に作っているオーガニックの成分を使い有機認定までとること、せっかくなので危険視されている成分は極力入れないこと、またそういう成分にこだわる人をターゲットにして、安全性がより高いと声高らかに謳うこと、それだけが製品上の競争優位の源泉だったのです。

2006年8月20日 (日)

アグロナチュラブランド開発ストーリー 6 ブランド・サブブランドの設定

当初ブランド名を決めるときは少々悩みました。

何という名前でも別によく、ゼロからブランド名を決めて良いので、無限の選択肢があります。

化粧品に「アグロ」という言葉の響きもどうかな~?と思っていたのでもっと洗練されたエレガントな名前にすることも出来ましたし、商品カテゴリーごとにブランドを分ける、香り等のシリーズごとにブランドを分ける、、、、無限です。

AGRONATURAはビオリーブスと関係のある、地元にあるいくつかの農業団体のうちの一つの名前です。

意味は、アグリカルチャー(農業)とナチュラル(自然)で、自然農業というベタな名前で、海外ではどこにでもある一般名称です。あまりに一般的すぎて西洋圏での商標登録は難しく、日本でも商標登録も出来るのかどうかわからないものでした。

しかも、ド田舎の農業団体の名前なのでブランド名というわけでもなく、当時AGRONATURAが作っていたのはOEMのハーブティー用のハーブリーフやエッセンシャルオイル、芳香蒸留水という原料のみでは化粧品など存在するはずもなく最終製品も何もないし、地元イタリアでもこの名前AGRONATURAは認知度ゼロの誰も知らない名称です。

どうかな~と何日か考えましたが、「自然農業」という名前を化粧品ブランド名にしちゃえということに決めました。
農業団体としては、AGRONATURAという名前を化粧品に使うことは、当時これほどの事業になるなんて夢にも思っていなかったでしょうし、ああそうなの的無反応でしたが、自分達の名前が遠い東洋の国で使われるということで喜んでいました。

 
次に考えたのは、全体ブランド、サブブランド等の設定です。

AGRONATURAは、他のブランド品のような企業名ではなく、農家を束ねる団体の名前です。
そして、農家はそれぞれ、アントスやビオリーブスのような個別の名前を持っています。

また、ビオリーブスもアントスもそれぞれ独自でハーブ原料等を生産していました。
化粧品にはエッセンシャルオイルも芳香蒸留水やリーフも大した量は使えないので十分あり、また自宅で生産できないハーブ原料や界面活性剤などのケミカル原料は独自で調達しており、今まではAGRONATURAからはハーブ原料を一切買ってない現状もありました。

そして、北イタリアで生産できないハーブ原料は、AGRONATURA自体もフランスや他の地方から外部原料を輸入して用意するという状態でした。

当初考えたのは、あまりブランド名を多くするとわかりにくいので、少ない量ですがいくつかの原料をAGRONATURAを通して買って使ってもらうことをアントスとビオリーブスにお願いし、各工房が作ったものをすべてAGRONATURAブランドに統一してしまおうということでした。
そうしたほうが、ブランド認知も一つで簡単ですし、何個もあってわかり難いということがないと考えたからでした。

しかし、製品の開発を進めるにつれ、それぞれの個性を持つ工房の製品を、単一ブランドで展開することは難しいと考えるようになりました。
かなり製法や得意なところに個性の違いがあったのです。

また、それぞれの工房の個性を謳っていったほうが、より信頼性のある愛着の持てるブランドになるのではないかと考えました。

そこで、全体的なブランドとしてAGRONATURA、そしてサブブランドとして各工房が作ったもので分ける形で生産者別のサブブランドをシリーズとして設定したのです。

AGRONATURAブランドのアントスシリーズといった感じです。

これで、すっきりしました。

ついでに、現地での呼び名はアグロナトゥーラであり、アグロナチュラではありませんでした。

ここで、後半をナチュラにするかナトゥーラにするか迷いましたが、日本人にとってはナチュラルという
英語のほうが意味を理解しやすいと考えて、アグロナチュラにしました。

というわけで、「自然農業」と言う意味の「アグロナチュラ」という化粧品ブランドが誕生したのです。

まったくいい加減なものですが、実は何でも良かったというかなり適当な命名やベタな名前でもブランド展開のやり方によっては無名状態から素敵に認知されていく良い例だったと思います(笑)。

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